<最優秀WGP外国人選手> バダ・ハリ
迷ったです。迷ったんですけど、バダ・ハリにしました。決勝戦のアレはもうどうしようもない行為ですけど、それまでに年間を通じて盛り上げたのはバダ・ハリだと思うので。
レミー戦を除けば、ホンマン以外は全員KOで倒しているのも非常にポイントが高いところですね。特にアーツを倒して世代交代を印象付けた試合は、歴史的な一戦でしょう。
レミー・ボンヤスキーとは来年決着戦を期待したいですね。
<最優秀WGP日本人選手> 該当選手なし
日本人選手に関しては、全くの不作ですね。粒はいるんですが、大きな中心人物がいないかなという感じです。昨年登場した澤屋敷はトップの壁に苦しんでいますし、武蔵は怪我の影響が強いシーズンでした。藤本祐介は骨折、前田慶次郎と野田貢は一歩足りない印象。
来年は日本勢の世代交代にも期待したいですね。
<最優秀WGP初登場選手> エロール・ジマーマン
満を持して登場したジマーマンが初年度でブレイク。バダ・ハリ戦で負けるまで、破竹の6連勝。その中にはテイシェイラ、ブレギー、グラウベら空手出身の猛者も多く、実力が本物であることを示しています。現在22歳。バダ・ハリより若いんです。
入場時のコスチューム「ボーンスーツ」も徐々に浸透していくことでしょう。このまま「ふざけたキャラ」で行くんでしょうかね? 同門で仲良しのサキよりもスター性はありそうな雰囲気ですが、シュルトとも同門なので対決できないのが残念。
<WGPベストKO勝利> レミー・ボンヤスキー(vsグーカン・サキ)
レミー・ボンヤスキーはK-1の偉大なる王者の系譜に連ねるべき選手です。決してフェイク王者などではなく、堂々たる最強の選手の一人。それを証明したのが、このグーカン・サキ戦でしょう。ロープを利用したかにも見える、ジャンピングミドルキックで背中蹴り。およそ、キックボクシングの常識を超えたフィニッシュホールドは、私たちの度肝を抜きました。
それにしても、今年のレミーは強かった。マヌーフを圧倒し、アターエフをジャンピングニーで葬り、ポール、バンナを下してサキを一撃で悶絶させました。バダ・ハリ戦こそあのような結末になりましたが、ダウンを奪って、さらに減点もあったので、あのまま戦っていたとしてもバダに逆転されることはなかったでしょう。
<WGPベストバウト> ピーター・アーツ vs セーム・シュルト
バダ・ハリvsエロジマン戦を挙げるつもりでしたが、WGPを盛り上げたのはバダ・ハリのみならず。特にソウルでアーツがシュルトを葬ったことは評価されてしかるべきでしょう。
アーツが5月からずっと訴えていたシュルト戦が実現され、そして有言実行で成し遂げるあたり、何故この男がレジェンドと呼ばれるかを表すものだったと思います。
純粋な意味でのベストバウトはハリvsエロジマンでしたが、私はこの試合を見て横浜まで遠征しようと思ったので、個人的な想いでこちらをベストバウトにさせていただきます。
<WGP編総評>
ご批判を承知で言わせてもらえば、2003年~2005年は、私にとって冬の時代でした。
それまでたくさんあったK-1系の応援サイトが更新を辞めていき、ファンが離れていった時代でした。
代わってK-1の軌跡をなぞって成長した総合格闘技PRIDEがずさんな経営で日本の格闘技界をぐちゃぐちゃにしてしまいました。
今年のWGP決勝戦を見て、まあ最後の結果はアレだったものの、元気を取り戻してきたなという印象です。
特に、最近は私もリンクを貼らせていただいている若い人たちのブログ等を見ると、これから先への希望を持たされます。2008年は私のような一ファンにとって、ポジティブな年だったんじゃないかと思ってます。
レミー・ボンヤスキーは強い王者だと思います。ただ、彼は日本人好みのストーリーや武士道精神を持っていないビジネスライクなアスリートなので、人気という点ではアーツやバダ・ハリに及ばないでしょう。冷静すぎるんですね。
それでも来年は、再びセーム・シュルトを中心にWGP戦線が張られると思いますが、レミーこそ2009年の打倒シュルトの一番手でしょう。
それと、谷川氏の掲げる「スピード」路線。
私は別にそこに拘らなくてもいいと思うんですよね。ホンマンの試合にだってそれなりの緊張感や期待感もありますから。
それよりは明らかな調整試合のようなものを減らしていき、「どっちが勝つか予想しにくい」マッチメイクを増やしてほしい。
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