魔裟斗vs川尻はK-1ルールだが「K-1」ではない。
う~む。海外のバダ・ハリフィーバーは凄い。
あらゆる意味で今現在の中心人物であるにも関わらず、WGPの情報が全く出ない為話題にしにくいというのは、本当にブログを書く身としては歯がゆいです。
私は(多分)リアリストなんで、「良い意味で延期」とかそういう言葉遊びには騙されないタチだと思ってます。発表がないのは、発表したくない事情があるからです。
そろそろ我慢の限界というファンも多いことでしょう。

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K-1 WORLD MAX 2008 World Championship Tournament -FINAL8&FINAL-←昨年の魔裟斗王者への軌跡

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さて、昨日から反響の多い魔裟斗vs川尻ですが、この試合が本来の持つ意味以上に注目されてしまうという点が現在の格闘技界のいびつな状態を象徴していると考えています。

この試合は、そもそも大した意味はありません。状況が生み出した妥協の結果のマッチメイクですから。

魔裟斗側の事情からすれば、トーナメントの最中でMAXの強豪はみんな本戦に必死。
元ライバルの小比類巻は怪我、その他の日本人選手もピリっとせず、対戦相手がいない状態。MAXで全く通用しなくなった武田を相手にKO勝利し、MMAファンにおだて上げられた川尻選手が意欲を見せた時点で、7月のカードは決まったようなものでした。経験的にもまず負けることは考えにくく、極めて消去法的な決まり方だといえるでしょう。

対する川尻は国民的知名度を持つMMAファイターである須藤元気、山本KIDがMAXに出場して結果を出したことでブレイクするきっかけになったことはよくご存知のはず。特に山本が大晦日で魔裟斗をダウンさせ、結果的に負けてしまったもののその勢いをMMAの舞台に持ち込んだことは頭に入っているでしょう。
自身のキャリアアップのための踏み台として、このローリスクハイリターンな試合はとってもオイシイ。

主催者側としては、K-1vsMMAを煽ることで、双方の盛り上がりの相乗効果を期待したい。と、まあそんなところでしょう。実際盛り上がっているファンもいるようですしね。

こうして考えてみると、誰も損をしない、幸せなマッチメイクのように思えます。実際そう思ったから魔裟斗も川尻も谷川EPもサインした。

しかし、どれだけ格闘技ファンが盛り上がろうとも、いや盛り上がっちゃうからこそ、なんともいえない空しさがこみ上げるのです

天邪鬼と言ってくれても全然構わない(実際そうだし)。

そもそもK-1って「1」という数字が入っているじゃないですか。これは「ナンバーワン」の「」ですよね。
「F1」がフォーミュラーカーのナンバーワンカテゴリーであり、ナンバーワンの車とドライバーを決めるために世界17カ国を転戦している。誰もがシリーズチャンピオンになりたいと思って参戦しているわけです。

同様に、「K-1」は数多の立ち技格闘技のナンバーワンを集めるカテゴリーであり、ナンバーワンを決める興行であるという「大前提」がある。この舞台に参加する選手は、せめてこのカテゴリーでナンバーワンになりたいと思っている選手が参加してほしいと思うのです。

しかるに、魔裟斗も川尻も「K-1」というパッケージでナンバーワンを目指していない選手同士なのです
魔裟斗はトーナメントを放棄した時点で「元」王者であり、これからも王者になることはない。というか、もう王者になることを目指してはいない。彼の格闘人生はエピローグの段階なのです。クライマックスは昨年の10月だったのですから。
川尻も日本代表決定Tのオファーを断っている。これはMMAの練習が遅れるという理由と同時に、立ち技での成功を全く目指していないことの表明でもあると思います。おそらくは優勝できないであろうこともわかっていたと思いますので、打算的に自分の商品価値を落とさないための断りでもあったでしょう。
魔裟斗と戦うのは、あくまで売名が目的であり、K-1での成功は彼の考えのなかにはないことでしょう。
それは、本人が立ち技ではベストの選手になれないことを理解しているからです。

MMAファイターは立ち技未経験のほうがK-1では良い結果を残します。しかし、試合を積み重ねれば積み重ねるほど勝てなくなっていきます。これ以上試合経験を積まない状態で魔裟斗と戦うしか、勝算がないことは当然理解しているでしょう。
これはKIDしかり、須藤しかり、グッドリッジしかり、アリスターしかりです。例外的なセーム・シュルトは立ち技でも良績を残しており、転向していきなり結果を出したわけではありません。
記者会見で川尻選手が「3分で決まるでしょう」と言っていたのはまさにその通りで、3分以上経つと相手が落ち着いてしまい、変則的なMMA風の打撃スタイルによるかく乱が通用しなくなりますからね。この辺はクレバーだと思う。相手を感情的にさせて、打ち合いに持ち込むしか勝ち目がないですから

説明が長くなりましたが、
成功をすでに収めウイニングラン中の魔裟斗と、K-1を単なる売名の踏み台としてしか利用できない川尻の試合に、K-1の名を冠する……つまり、カテゴリーの頂点を目指す舞台の注目試合として相応しいのか?
という根本的なひっかかりがどうしても心から取れません。
競技、つまりルールとしてはK-1ルールだけれども、興行の趣旨としてのK-1ではない。と言うのが私の考え方です。

「1」を目指していない選手同士が、何故「K-1」で戦うのか? どちらかが「1」を目指しており、その過程で「1」を目指していないMMA選手をぶつけるというのはまぁ理解できなくもないのですが(佐藤vsゴリアエフ等)、両者ともK-1のチャンピオンシップに重きを置いていない者同士の試合にこうまで注目が集まってしまう現状というのは、実に寂しい。誤解を恐れず言えば、この試合はK-1ではない。今回、魔裟斗が代表しているのは「立ち技」であって、K-1ではない。したがって、せめてメインイベントにするのはやめて欲しい。「K-1」のカテゴリーでトップを目指す8名のファイターに対して失礼だと考えます。

MAXは魔裟斗あっての階級ですが、来年からはもう魔裟斗のものではない。であるならば、せめてキシェンコや、日本人最後の生き残り山本優弥にメインを譲って欲しいのです。キシェンコvsサワー、ドラゴvs山本優弥にはその資格はあると思うし。
TV放送の都合上とはいえ、結果的にタイトルマッチをメインに据えたDREAM9はその点では評価したいと思っていますよ。それを、MAXではできないということはないでしょう。

決まったマッチメイクである以上は良い試合を期待するだけですが、この試合にK-1としての歴史的意義はないし、価値も乏しい。もし、この試合が後世に名を残すとすれば、それは川尻が予告どおり3分以内に魔裟斗をマットにキスさせた時だけでしょう。

そのためには、
1 マスコミを使うなどして誘導し、「打ち合わなければチキン」という空気を作ること。
2 会場に自分のファンを大勢呼び込み、ホームの雰囲気を作ること。
3 ローキックやミドルキックを蹴られる距離に絶対にならず、常に手を休めないこと。
4 最初の2分くらいですべてを決めてしまうこと。
が必要になってくると思います。いままでのところ、彼の作戦は成功していると思います。特にナメられることが嫌いな魔裟斗を感情的にすることは絶対必要条件です。勝負というのは、最後まで冷静に自分の決めた作戦を遂行したものが有利なのですからね。

K-1というパッケージでの試合としては意義の乏しいスピンオフではありますが、せめて川尻選手のフェアな奮闘を期待します。


空手超バカ一代 (Bunshun Paperbacks)←K-1創始者自伝本


☆☆☆

一応最後にお断りさせてもらいますが、以上の見解はあくまでK-1ファンとしての立場からの意見です。
K-1にプラスになることはありませんが、魔裟斗と川尻のキャリア形成のための試合としては意義があるものかもしれません。両者のファンにとっても、注目されることは意義があることでしょう。

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by the_kakato_otoshi | 2009-06-12 11:22 | K-1

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