さて、当初あまり興味がなかった「空手超バカ一代」ですが、
本屋さんで並んでいるのを見て、「ブログのネタになるかも」と、ムラムラして買いました。反省はしていません。
そして後悔もしませんでした。
空手超バカ一代 (Bunshun Paperbacks)
というわけで、正道会館の創始者にしてK-1創始者にしてFEGの株主である石井館長の自伝書です。
非常に面白いですね~。
一日で読んでしまったのがもったいないくらいです。
内容をベラベラと書き綴ると未読の人に申し訳ないので、ここでは簡単に私の印象を。
青春時代から、サラリーマン時代を経て、K-1を立ち上げ、成功し、そして塀の中でそれを振り返るという男の一代記。
味わい深く、そしてすべての経験をユーモアに昇華してしまう館長の人間力には恐れ入るしかありません。
K-1創始者の「自慢話・苦労話」では決してなく、どちらかというと、館長の経験を通じた「自己啓発」「ビジネスの心構え」のような話が中心かと。もちろん、すべてを笑いに変えていますので、肝心なところはボヤかされているような気にはなりますけど。。。。
K-1ファンでなくとも、「面白い!」と思えるエッセイ集ですね。
一番頭が下がる思いだったのは、とにかく館長の商売上手さ。館長の商売の原点は、「お客さんをいかに大事にするか」という非常に基本的な部分だったような気がします。K-1の興行にも通じていたことでしょう。
例えば、ベルナルドvsバンナの試合で、ゴング後にバンナがKOされてしまい、ノーコンテストになった試合がありました。原因は客の歓声で両者がゴングに気がつかなかったことでした。
その際、館長はすかさずマイクを握り、説明した上で「この二人は必ず再戦させます!」と約束。その言葉に、がっかりしていた客が再び盛り上がりまして、イベント終了となりましたが、これもお客さんの雰囲気を察した館長の「サービス精神」の成せる技だったのでしょうねえ。
あと、何事も絶対黒字にするという執念も感じました。黒字にしなければ、お客さんも協力してくれた人も、みんなハッピーになれない。さすがは28歳にして正道会館を立ち上げた実業家ですから、その辺も徹底しているんですね。
それから、「志は高く」という点。80点取るためには100点取る勉強をしなくてはいかんということですね。
とにかく何もないところから、自分の人柄と執念を武器にしてのし上がってきたノウハウは、ビジネスの教訓にもなりました。やはり館長は今からK-1のプロモーターに復帰するなんてことはあり得ない。ましてやUFCが天下を取ってしまったMMAの世界に首を突っ込むことなんかさらにあり得ない。アマチュアの世界組織設立と、K-1ワールドカップ開催という新しい大目標に向かって、未開の地を分け入っていく。フロンティアこそ、館長の活躍の場に相応しいのだなぁと思いました。
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