相変わらず褒めてるのかけなしているのかわからない総括ですが(笑)。来年どうなるのかな? MAXも2年おきにトーナメントって話あるけど、自分は毎年やってほしいなぁ。
<外国人選手>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア):4勝0敗:10点
2009年王者。超絶技巧を駆使して勝利した準々決勝の試合内容を、谷川貞治氏に「つまらない」「あんなのが大晦日に出てきたら大変」と言われ、カチンときたのか、準決勝では谷川氏イチオシの山本優弥を1RでKO。自身の骨が折れるほど、思い切り殴りつけたらしい。決勝戦では折れた右手の甲も構わず、試合巧者サワーを圧倒。もうどうすりゃいいの? っていう圧倒的な強さでMAXを制覇し、谷川氏に「史上最強」と言わせた。魔裟斗戦に右手の治療が間に合うのかどうかは微妙。ギリシャ彫刻のような堀の深い顔立ちが特徴だが、プレイボーイ臭はしない。佐藤選手との技術戦が観たい。
アンディ・サワー(オランダ):3勝1敗:8点
2005・2007年王者。隔年で優勝していることから、自分が今年優勝できると思っていたが、まさか医者のコスプレをしたイタリア人にそれを阻まれるとは……。風格があり、試合内容も落ち着いていて、決して慌てない。とても26歳とは思えないが、魔裟斗のことを聞かれると不機嫌になるという点はずっと変らない。
ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ):2勝1敗:6点
2004・2006年王者。27歳となり、ムエタイ選手としては晩年を迎えている。往年のスピードは鳴りを潜めたが、ムエタイのテクニックを駆使して中堅レベルは軽く退けるあたりに、この男の技の奥深さがある。タイのみならず、欧州でも人気があり、もはや信仰の域にまで達しているファンすら見受けられる。玄人好みの試合をするようになってからは、TBSの編集でカットされることが増えてきた。カットといえば、自分で髪を切ったと思われるなぞのテクノカット(ぼっちゃんカット)はあまりにも不評だった。最近は母国の映画にも出演している。
アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ):2勝1敗:7点
MAXナンバーワンの王子系イケメン。最近では母国でも有名になり、大臣が握手に訪問してきたという逸話まで。Final16で魅せたパンチ力はインパクトを残したが、Final8ではサワーにスタミナという弱点を見透かされて敗退。これは、もともと76キロ程度の体重を毎試合減量していることと関係があるかもしれない。最近は黄色い歓声も増えてきており、やはり女性はイケメンに弱いのかもしれないと思わされる。いや、確実に弱い。男が美人に弱いのと同じことだ。
ニキー“ザ・ナチュラル”ホルツケン(オランダ):1勝1敗:4点
地上波だけでMAXを見ている方は、彼がトーナメントに参加していたことにすら気がついていないだろう。Final16で勝利してベスト8に進出したものの、試合全カット。Final8でも、結果のみ字幕で表示されて終了した。谷川イケメン路線で、しかも実力派選手ではあるが、テレビに映らなければ何の印象も受けない。
アルバート・クラウス(オランダ):3勝1敗:7点
ペトロシアンには完敗するが、長島☆自演乙☆雄一郎を派手に沈めたり、武田幸三の引退試合の相手を務めるなど、存在感は十分。さぞかし、今年はリング上で妙なものを目撃したことだろう。女装して入場してくるキックボクサーや、パンチが当たらないイタリア人、目が見えないのにタオルを投げないセコンド、ダウンを取ろうとしないレフェリー、などだ。まるで「UMA」としか思えないような異次元の生物はいつも彼の前にいた。これらの珍現象を息子に説明するのは、一苦労だろう。
ジャバル“チンギスハン”アスケロフ(UAE):1勝1敗:5点
MAX参戦を熱望しており、ついに出場が叶った。しかし、対戦相手がペトロシアンだったのが運の尽き。スーパーファイトで日菜太と戦い勝利したものの、起死回生のダウンさえなければ負けという内容では評価も上がらず。なかなか扱いが難しい存在になった。だがそもそも、彼はロシア人だし、チンギスハンはモンゴル人だ。
イム・チビン(韓国):3勝1敗:6点
Final16では、1度のミスでのダウンさえなければ内容では山本優弥を圧勝していた。それはそれで惜しかったのだが、アジア予選決勝での大逆転KO勝利は2009年のMAXで最も劇的な試合に数えられるだろう。もともと階級が下の選手だけに、今後Krushなどで活躍できるかもしれない。とにかく、背中に苦労人の哀愁を感じる。
イ・スファン(韓国):2勝2敗:5点
非常に成長しているのに、惜しい試合が多いのが玉に瑕。アジア予選決勝では、勝利まであと一歩でKO負けを喫している。韓国人の中では一番トップレベルに近い選手なので、今後もチャンスはあるだろうが、それまで母国の格闘技人気が持つかどうかが厳しい。
アルビアール・リマ(カーボベルデ):0勝1敗:3点
過去にはホルツケンをKOで下すなど、パワーで鳴らすタイプの選手。しかし、キシェンコに自慢のはずのパワーでぶっ飛ばされるという信じられない負け方でトーナメントから去る。ジャンプ系バトル漫画で、図体がでっかいのにイケメンにボコされるかませ犬というイメージ。
アンドレ・ジダ(ブラジル):0勝1敗:6点
あのブアカーオをあと一歩まで追い詰めたMMAファイター。打撃適正が高く、今後もMAXで活躍できる可能性を感じさせた。パンチは強いが、ボディに弱いというウィークポイントも見つかった。シュー・イェンと似ているが、別人らしい。
シュー・イェン(中国):1勝0敗:5点
散打王者。だれもがかませ犬と思いきや、実は強豪でした。という最近の谷川マジックの見本のような選手。自演乙をフルボッコにして海賊版阻止を阻止(?)。あの魔裟斗も「珍しくK-1向きのアジアの選手」と褒めた。アンドレ・ジダと似ているが、別人である。
ドラゴ(アルメニア):2勝1敗:7点
MAXの門番的な立場にいる。今年は佐藤嘉洋、小比類巻太信を倒すなど、そのチカラはまだまだ健在。特に「この試合で負けると呼ばれなくなるかも」という崖っぷちファイトでは恐るべき強さを発揮する。難民として戦争を潜り抜けてきた男の底力であろう。普段は馬鹿正直なほど礼儀正しく、情に厚くて、優しい「ナイスガイ」だ。日本人の中からは決して出てこないタイプのファイター。我々が遠い昔に捨ててきた何かを、彼は持っているような気がする。魔裟斗vs川尻戦では、魔裟斗勝利後に客席で派手なガッツポーズを見せつけ話題を攫った。谷川氏曰く、「ドラゴのK-1愛」らしい。
リーロイ・ケスナー(オランダ):3勝2敗:5点
アーツの弟子としてオランダ予選を突破し期待されたが、サワー、城戸に連敗。城戸には「ローパンチ」で敗れるなど、なかなかのエンターテイナーぶりを発揮したが、試合でインパクトを残すには至らず。切れ長でボンドラチェック似の顔などはなかなかのグッドガイだが……。
チョン・ジェヒ(韓国・62キロ):2勝0敗:8点
韓国のムエタイ王者。渡辺一久、KIDを食って、「2009年MAX62キロ部門最強」の称号がもしあれば付くであろう。かませ犬と思いきや、実は強豪でした。という谷川マジックの象徴。渡辺一久とは、殴り合いを展開し、最後はお互いの健闘を称えあうなど、熱い一面も持っている。来年以降、彼をどう扱っていくのか、興味が尽きない。
マイク・ザンビディス(ギリシャ):0勝1敗:4点
久々に出てきたと思ったら、日菜太にサンドバック状態にされた上に、何度か金的を蹴られてしまう。彼はMAXとの相性が悪いのかも知れない。ギリシャやオーストラリアでは英雄的存在だが、日本では今一歩なのが惜しい。もちろんそれが、MAXのレベルの高さの証明なのだが。
ユーリ・メス(オランダ):0勝1敗:4点
バダ・ハリ、マヌーフとともにマイクスジムの「悪童3兄弟」と呼ばれる。見た目は非常に厳つい。2008年の小比類巻戦を皮切りに、オランダで連勝を続けていたが、佐藤嘉洋に敗れてそれがストップすると、突如引退を表明。
シャヒッド(モロッコ):0勝1敗:3点
まだ21歳の若手ファイター。It's Showtimeのルッツ氏が惚れこむ逸材のはずだったが、Final16で骨折明けのホルツケンに見せ場もなく判定負け。まだまだMAXのトップクラスには遠い。
アンディ・オロゴン(ナイジェリア):0勝1敗:2点
日本代表決定Tでは重量オーバーの上、小比類巻に塩漬けにされ、悪態をつきながら去っていった。今はどこでどうしているのやら……。
セルゲイ・ゴリアエフ(ロシア):0勝1敗:1点
昨年大晦日の流れを受けて、K-1vsMMA第一弾として佐藤嘉洋と戦った総合格闘家。ムエタイ経験者のはずが、ローキックで3度ダウンを奪われ陥落。何をしにきたのか……。
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