2009年 K-1 MAX 総括 ~ベストバウト編~
MAXも全興行終了ってことで、ボツボツやってます今年の総括。

今日はベストバウト編です。
ベストバウトといえば、やはりカウントダウンでしょう。
1位から10位まで並べて発表するというベタな企画であります。

とはいえ、ただ単に思いついた順にならべても面白くない。
「いい試合とはなにか」ということから考えてみました。

そう。つまり・・・・

ベストバウトの基準とはなにか?

私は5つの要素を、私が勝手に定義しました。

「強さを体現しているか」
「革命的であるか」
「キャラクターを生かしているか」
「手に汗を握るか」
「ドラマチックであるか」


この5つの要素をポイント化して管理し、名勝負を独自に採点。
試合内容+観戦者ありきのスポーツとしての完成度までが要求されるわけです。

「強さ」というのは、選手のレベルの高さ。技術、パワー。
「革命性」は、戦い方や下馬評をひっくり返すなど、これまでの常識をどれだけ打破したか。
「キャラクター性」は、選手の個性。強いインパクト。華。これらが試合で生かされているかどうか。
「手に汗」は、緊張感。シーソーゲーム。試合中、もしくは試合前のハラハラドキドキ。
「ドラマ性」は、劇的な試合展開。もしくは、二人が戦うための重要な意味、人生劇場。歴史的意義。


試合内容のみならず、いろいろな要素も考慮して、
ここに、かかとおとし独自の2009年MAXベストバウトが決定いたしました。

「凄い」試合であっても、単に片方だけが強かった・目立ったという印象の試合ではなく、
両者がチカラを出した試合のほうが評点も高くなってます。

もちろん、これはお気楽な観ているだけの立場の人間が、
勝手につけたランキング。
みなさんには、「これがない」とか「これはいらない」という意見もあるでしょうが、
まぁそこは個人ブログゆえにおおめに見てくださいな。

そして、各名勝負を思い出して燃えてください(笑)。


【音声ブログ】かかとおとしポッドキャスト公開中


10位山本優弥 vs 長島☆自演乙☆雄一郎 日本代表決定T準決勝

いきなり濃い試合の登場である。日本代表決定Tにおいて初戦をまさかの勝利で飾った長島☆自演乙☆雄一郎の準決勝。山本優弥は1回戦を延長まで戦い、状況的には自演乙に有利であった。突如現われたヲタク界のスーパースターに観衆と茶の間の視線は釘付け。神童と呼ばれた山本と互角の戦いを演じるも、最後はカットで無念のドクターストップ。日本拳法をバックボーンにした全く新しいファイターの戦いぶりは高評価を得た。試合後の涙もまた感動を誘った。

9位佐藤嘉洋vs城戸康裕 世界一決定Tリザーブファイト

Finalでのリザーブファイト。佐藤嘉洋本人のブログによれば「テレビ放送は難しいだろう」と言われていたらしいが、試合内容の良さにTBS側の評価上昇で急遽放送。事実上、日本国内ランキング戦のようなカードだったが、興行自体のメインが決勝戦だったため、注目されていなかった。しかし、両者の試合前からの気迫と、2Rのダウンの奪い合い、そして華麗なフィニッシュまで、わずかな時間の中にK-1の醍醐味を凝縮したようなナイスファイトになった。試合後、佐藤選手がうなだれる相手に「ライバルだと思っている」とドラマチックな発言。男ですねぇ……。

8位小比類巻太信vs山本優弥 日本代表決定T決勝戦

3試合連続で日本人同士のカード。やはり、同国人対決は熱くなる。日本代表決定Tの決勝戦として行われたこの試合は、ダメージの上で圧倒的有利の小比類巻がやはり攻めまくる。もはやこれまでかと思った3Rで山本優弥が覚醒。何度被弾しても前進をやめず、ダウンを奪い返すと、オーディエンスのボルテージは最高潮に達する。この試合で熱くならない奴はK-1ファンではないだろう。結果的に小比類巻が逃げ切ったが、山本優弥の健闘のほうが印象に残った。

7位チョン・ジェヒvs渡辺一久 62キロ級スーパーファイト

キックのジェヒ、パンチの渡辺。両者のキャラクターが生かされた勝負だった。変則的ながら基本はボクシングの渡辺一久がライト級離れした大振りのフックで会場を沸かせ、それにムエタイ仕込のミドルキックとローキックで冷静に対抗するジェヒという対比構造。レベル的には未知数なれど、異種格闘技戦を彷彿とさせる緊張感があり、二人の個性と負けん気の強さもあってエンターテイメント性という点も加味すれば高い評価を得ていい試合。

6位長島☆自演乙☆雄一郎vsHAYATO 日本代表決定T準々決勝

お茶の間に衝撃を」「アニメ界のK-1制圧」。というキャッチフレーズで登場した自演乙のデビュー戦。下馬評ではHAYATO圧倒的有利が伝えられていたが、1Rから変則的な「縦拳」で、自演乙が試合を支配する。全く未知の戦い方をする相手に、ベテランのHAYATOが全く対応できず、そして対応できないままダウンを奪われる。そのダメージが抜けないままブンブン振り回してくるパンチを被弾し、KOされてしまった。去年の準優勝者をアニメヲタクが破るというレボリューションな試合で、一気にトーナメントが面白くなった。あまりにも革命的で、記憶に残る試合である。また一つ、Kの常識が覆された。

5位ドラゴvs佐藤嘉洋 世界一決定T Final16

Final16のメインイベントとして行われた試合。下馬評は佐藤の勝利で間違いないとの評価で、試合の途中までやはり佐藤リードと思われた。魔裟斗に代わって主役になろうとしている佐藤嘉洋と、落ち目のドラゴというコントラスト。ドラゴはここで負けると後がない。「K-1は僕をここで消そうとしているのかな」と寂しそうに話していた悲劇の難民ファイターだったが、試合になると一変。ローを蹴られて痛い足を引きずりながらも、持ち前のハートとスタミナで決して佐藤の攻撃で攻防を終わらせない。気迫で延長を掴み取ると、今度は急に佐藤が失速。会場のドラゴコールの後押しもあり、ついに日本の主役をその座から引き摺り下ろした。こんな逆転劇場もあるんだなぁ。

4位魔裟斗vs川尻達也 スーパーファイト

川尻にとっては、またとないアピールの舞台だっただけに、気合の入り方は尋常ではなかった。魔裟斗もきっちりと仕上げてきており、コンディションはよかった。両者ともいいコンディションだと、試合後の後腐れがなくていい。これは、Final8のメインイベントとして行われた試合。魔裟斗ギャルの黄色い歓声と、川尻をサポートする野太いMMAオタクの声という決して交わらないはずの声援が、日本武道館でまさかの交錯を果たした。その意味では、歴史的な意義があっただろう。試合内容に大きく観るべき部分はなく、一方的な魔裟斗のスパーリングに終わったが、客が試合を盛り上げるということを体現してみせた。これもまたスポーツの醍醐味。最後は黄色い歓声が場を支配したが、お茶の間のファンには山本優弥に負けたはずで消沈しているはずだったドラゴの狂喜乱舞ぶりが一番印象に残ったに違いない。

3位ジョルジオ・ペトロシアンvsアンディ・サワー 世界一決定T 決勝戦

2009年の王者を決める試合。あの鬼のように強いアンディ・サワーの技術ですら、今年参戦を始めたイタリアの天才には届かない。ペトロシアンは自慢のディフェンスだけでなく、自ら動いて試合を作る技術もわずかの準備期間で作ってきていた。準決勝のブアカーオ・ポー.プラムック戦で4R戦っていたサワーだったが、それがなかったとしてもペトロシアンには届かなかったのではないかと思わせたほど、衝撃度の高い試合だった。昨年の、あの後味が苦かった王者決定の瞬間にくらべると、なおさらだ。一切の疑問の余地を挟むことすらできない完璧な王者誕生の瞬間がそこにあった。だが、最後まで王者を求めるサワーのド根性もこの試合の緊張感を増す要因となっただろう。それにしても普段、口の悪いネット上の格闘技ファンの方々もペトロシアンに関してはぐうの音も出なかった。こんな王者は久々だ。試合後、魔裟斗のMC「大晦日、空いてる?」も、良かった。・・・ジョークだと思われてたけど。

2位ブアカーオ・ポー.プラムックvsアンドレ・ジダ 世界一決定T Final16

Final16の1試合。当初ブアカーオ・ポー.プラムックが圧勝するとしか思われていなかったが、アンドレ・ジダが1Rから得意のパンチで猛攻。MMAファイターの変則的なパンチ、フックを見切れなかったブアカーオはダウンを奪われ、フラフラになりながらなんとか1Rを耐える。ブアカーオファンにとっては悪夢のような光景がそこにはあった。これはもう無理。そう思わされた。しかし、ブアカーオと、彼の培ってきたムエタイの深みはそんなものではなかった。徹底したボディ攻撃。ミドルキック、膝を連発。組み付きから「崩し」で転がし、ジダの体力は急速に、そして容赦なく奪われた。延長戦に突入すれば、もはや体力のないジダは立っているだけの状態になり、ブアカーオが判定を制する。予測不可能な展開、そして逆転という実にK-1らしい手に汗握る試合になった。MMAファイターのパワーと、ムエタイのテクニックを存分に堪能できた。両者の個性が生かされた名勝負。ブアカーオのみならず、ジダにも拍手を送りたい。

1位山本優弥vsドラゴ 世界一決定T Final8

1位はこのドラマチックな一戦としたい。日本代表決定Tですら一番優勝可能性が薄いと言われた山本優弥と、試合前から結構舐めた様子のドラゴ。佐藤嘉洋ほどの「超」強豪選手を下したばかりの男に、山本が勝てる見込みは正直申し上げて、薄すぎた。しかし、試合は全く皆が予想していなかった様相を見せる。圧力が強いはずのドラゴを、逆に圧力で圧す山本優弥。パンチが顔面に入っても、笑顔を浮かべて殴り返し、印象点を取らせない。計算違いという表情を見せるドラゴに対して、ラッシュを魅せて客を沸かせる山本。「まさか勝ってしまうのでは」と、徐々に試合に惹きこまれた。最後までドラゴのペースで戦わせなかった。予選最弱から、世界のベスト4まで駆け上った山本優弥の逆転伝説は、今年のMAXを非常に豊かで感動的なものにしてくれた。もちろん、勝つだけでは呼ばれない外国人選手と、勝つだけで呼ばれる日本人選手とでは、その使命が違うのかもしれませんが……。内容レベルでは、2位や3位には劣るかもしれない。注目度では4位に劣るかもしれない。しかし、感動的な試合をやっぱり1位にしたいので、これでお願いします。日本のエースを破り、ベスト4確実と思われたドラゴが今度は自分が足元を攫われる。こんな人生逆転劇場が、この世界にはある。ドラゴと山本優弥の試合がまた観たい。今度まみえる時、両者の立場はまた変わっているだろうけど。


~~~~~~~~~~~~~~~~~


こうしてみると、KOで終わった試合よりも判定決着の試合のほうがランキングしている数は多い。
KOは格闘技の醍醐味だけど、それだけじゃないってことですよ。
山本優弥とドラゴはMAXの名勝負製造機ですね。

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by the_kakato_otoshi | 2009-11-10 16:36 | K-1

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