K-1 WGP 2009 Final特集③ バダ・ハリ優勝への方程式
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K-1 WGP 2009 Final特集③ バダ・ハリ優勝への方程式

<優勝は指名された使命>

私は今回のWGPのテーマは、「バダ・ハリが優勝できるか否か」だと思っています。
8人それぞれにテーマや目標があるのは当然ですが、今やKの世界はバダ・ハリを中心に回っていることは明白です。彼の言葉、闘いにファンは注目し、そして彼の成し遂げたい変革への期待は高まっています。

3度王者に立ったレミー、シュルトよりも、人気の上ではすでに上。後は、「K-1王者」という立ち技世界最強の称号を得ることさえできればよいのです

奇しくも、今年はこれまでK-1の顔役としてガンバってきたファイターたちが続々と引退を表明しました。魔裟斗、武蔵のみならず、ジェロム・レ・バンナまでが「今年でWGPは最後」と発言。17年間決勝戦を賑わせたレジェンド・アーツも今年はリザーブマッチを戦うことになりました。後を継ぐファイターが……とよくファンやコメンテーターが言いますが。後を継ぐファイターだったら、必要ない。いらないと思います。

欲しいのは、先駆者をぶっ壊す破壊者です。

K-1そしてMMAは、それまで日本では主流だったプロレス……格闘を模倣したものを見慣れた日本人に、本当の格闘技を見せて否定することで、つまり先駆者をぶっ壊してファンを取り込んできた側面もあります。取って代わってしまったその後、今度は壊されるの待つ立場にあるのです。先駆者たちが作り上げてきたものを、一夜でひっくり返すパワーとカリスマを持っているのは、バダ・ハリを置いて他にありません。
他の若手K-1ファイターにはそのカリスマは感じられません。
MAXは圧倒的な強さでジョルジオ・ペトロシアンが歴代王者を倒して優勝しました。
時代の流れとしては、やはり、今年が変革の完結する年なのではないかと思います。その旗手は、バダ・ハリを置いて他にはないでしょう。

バダ・ハリ優勝の可能性を探ってみました。

<侮れない大敵ルスラン・カラエフ>

準々決勝の相手、ルスラン・カラエフとは1勝1敗

現在のところ、唯一バダ・ハリの同世代のライバルと言える存在です。

ルスランは、いつも言ってますが実力以上に評価の低いファイターだと思っています。
万人受けする華やかで危険なファイトスタイルが、玄人筋には受けないのでしょうか。開幕戦前は京太郎にすら負けると思われていたようですが、終わってみれば危なげなく勝利を収めました。

開幕戦の2週間後、ヘスディ・カラケスに判定で敗れています。あの試合をもって、ルスランの評価を下げることは全くできません。
どう見ても、あれは、怪我をしないように9分間流してスパーリングしていたとしか思えません。彼の目標はまだずっと先なのだから、ここで万が一ダメージを受けるようなことがあってはいけないという戦い方でした。競馬で言うところの「前哨戦」です。

一流の馬でも、前哨戦は70%の出来で仕上げてそこそこの競馬をする。そして、本番で100%に持ってくるということはよくやりますが、まさにそういう扱いでしょう。
グーカン・サキやメルヴィン・マヌーフを下し、ソウクップレベルであればKOで沈めることもできる京太郎に対して、しっかりカウンターを決めさせずに流れで完勝する。これができるようになった今のルスラン・カラエフを甘く見てはいけない。
無論、総合力ではバダ・ハリのほうが上ですが、ディフェンス面、戦略面でゴールデングローリージムのノウハウを手にしたルスランは、強敵になるに違いありません。バダの初戦は、難しい相手になったと言えるでしょう。

<対策の立てられるアリスター>

仮に、ルスランを突破したとして、次に待ち構えるのはおそらくアリスター・オーフレイムでしょうか。アリスターの初戦は、8人の中でも当落線ぎりぎり、Fianl16をアジア王者相手に青色吐息で判定勝利したテイシェイラですから、あっさりとKO突破して無傷の可能性があります。厳しい相手と戦うバダ・ハリより有利かもしれません。

アリスターのファイトスタイルは、魔裟斗も予想の中で言ってましたが、いわゆる亀。がっちりと太すぎる腕でガードし、圧力をかけて近接からのパンチや膝で相手を壊すブルドーザーのような戦いをします。今のK-1では彼以外にその戦法の使い手がいないので、戦いなれたファイターほど戸惑うことでしょう。

ただし、アリスターの弱点は、戦法がそれしかないことです。
大晦日のときは、アリスターがどういう戦法を取るかもわからず、なんとなく舐めてかかって酷い目に遭ったバダ・ハリですが、今回は相手の手の内を知っています。しかも、アーツが3R戦ったため、対策を取るデータは十分にある。対してアリスター側としては、K-1のレジェンドアーツに競り勝った戦法、方法論をいきなり捨てるとは思えません。そんなことをするのは、合理的な言葉や戦法を好むアリスター・オーフレイムという人格を考えてもありえないでしょう。心理的、戦術的には自由に選べるバダ・ハリが有利なんじゃないかと思います。もちろん、アリスターの人間離れしたパワーは脅威的ですが、ルスラン戦よりも勝率は高いと考えられます。

<博打になるシュルト戦>

ルスランと、アリスターを退けた場合の決勝戦は、高確率でセーム・シュルトになると考えられます。シュルトは初戦で得意とするバンナ。残念で寂しいことに、バンナはかなり衰えが目立っており、チャクリキジムで数週間特訓したところでどうにかなるとは思えないです。
準決勝は、レミーかエロジマンなのですが、膝の怪我のあとまだ全開でいけないレミーと、経験の少ないエロジマンではどちらもシュルトのパワーの前に膝を屈してしまいそうです。

シュルトとバダの勝負が実現すれば、早い段階でのKO決着になるでしょう。バダ・ハリの勝機は顔面を狙った速攻。シュルトはそれがわかっているから、落ち着いてカウンターを顎に叩き込むだけ。長期戦になれば体格とスタミナに勝るシュルトが有利なので、バダは速い決着を求めます。当てれば勝ち。当てられたら負け。ヘビー級の醍醐味のような試合が再現されることでしょう。
仮に決勝戦がレミーだったとすれば、バダにとってはシュルトよりもやりにくくなると思います。なぜなら、バダはおそらく感情的になり、落ち着いて戦えないからです。冷静さを失ったほうが負けるのは、世の常。バダはレミーが上がってこないことを祈るべきですね。

バダが今大会でなすべきことはもちろん優勝しかないのですが、そのためにはルスランにきっちり勝ち、アリスター対策を万全にして、レミーが上がってこないことを祈る。そうすれば、後はシュルト戦で博打に勝てばいいのです。

すべてが上手くいったとき、バダ・ハリは英雄としての一歩を踏み出すことでしょう。

☆おまけ☆

今回のWGP、バダ・ハリの対戦相手になる7人の選手との相性を、私なりに考えてみましたので、
巻末に付録としてつけておきます(笑)。

ルスラン・カラエフ ▲ 実力差はあるが、恐れ知らずのカラエフにはバダ・ハリの威圧が通じない。スピードというアドバンテージももてない。
エヴェルトン・テイシェイラ ○ 相性以前に実力差がまだある。
アリスター・オーフレイム ○ 一度戦っているし、徐々に戦法も研究されている。ただし、亀ガードに徹されると辛い。
ジェロム・レ・バンナ ◎ 正面から打ち合う相手、タイプ的には必勝か。
セーム・シュルト ○ 顔面を恐れるシュルトとの相性は悪くないはず。
レミー・ボンヤスキー × 最悪。実績がそれを示している。
エロール・ジマーマン ▲ いい勝負になりすぎて消耗する。



次回は、アリスターvsテイシェイラの面白さを考えます。


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by the_kakato_otoshi | 2009-11-20 13:28 | K-1

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