史上最高のファイナル・K-1WGPアリーナ観戦記 ~1~
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えーっと、わざわざ札幌から横浜まで行って観てきたK-1WGP。

今年の上半期、全く予定が立っていなかったものの、そんなことももう誰も覚えていないのではと思わせる大盛況だったK-1。今年は90年代も含めて歴代最高のGPではという声もちらほら聴こえるほどです。


K-1WGPアリーナ観戦記 ~1~


K-1WGP、決勝戦に外れなし。この日こそが、私にとっての正月であり、クリスマスであり、大晦日であるのです。

1993年より続くこの伝統を信じて、私は札幌から横浜に行きました。

氷点下6度の札幌駅から、飛行機で羽田へ。そして、新横浜へ・・・・。


▼オープニングファイト第2試合 3分3R
○シング“心”ジャディブ(インド/パワーオブドリーム/K-1 ASIA GP 2009優勝)
●上原 誠(士魂村上塾)
KO 2R1分36秒 ※右フック


会場。

一般入場客の待ち列の最前列にて、ポールポジション気分を味わう雨のアリーナ。会場と同時に物販でパンフレットや卓上カレンダーなどをいろいろ買う。これで少しでも良い選手を呼んでくれれば、と。

オープニングファイト第1試合は、60キロ級。梶原選手と寒川選手の応援団が熱い声援を送る試合でした。

ヘビー級は第2試合から。シング“心”ジャディブからテイシェイラ戦で感じさせたひ弱さが抜け、力強い膝蹴りとラッシュで体格で劣る上原を追い込み、何度かダウンを奪います。そして、最後は右フック。

これまで日本国内でしか試合がなかったジャディブです。しかし、アジアGPで優勝し、“テイシェイラ優遇判定”がなければベスト8でアリスターと戦っていたはずのインド人がアグレッシブに覚醒。来期以降に大きな期待を持たせる変貌振りでした。


▼オープニングファイト第3試合 3分3R
○ヤン・ソウクップ(チェコ共和国/極真会館/第9回全世界空手道選手権準優勝)
●高萩ツトム(日本/チームドラゴン)
判定3-0 ※30-28、30-27、30-26


続くはチームドラゴンの高萩がソウクップに挑みます。去年、あれだけ大勢いたはずの極真応援団が今回は不参加。静かな会場での出だしになりました。冒険せず、適度に距離を保ち、勝ちに徹したソウクップ。的確に手数を稼いだチェコの新鋭が実力どおりに白星を押さえた印象です。


▼石井氏によるK-1ルール実演


事件は起こりました。ボンバー森尾氏がいつものように審判団の面子を読み上げ、最後は競技総括プロデューサー角田氏なのですが、今回は謹慎ということで、なんと代打(特別競技総括プロデューサー)として石井館長がコール。会場が大きくざわつきました。

直後、館長とキックボクサー2名がリングに上がって、K-1ルールの実演。館長が得意のマイクで、上段、中段のパンチ、フック、アッパー……続いてキックの種類、投げとつかみの反則、ロープを使っての攻撃の反則など、様々な状況を一つずつ実演でチェック。おそらく、前日のルールミーティングでこれと同じ事を行ったのではないかと思われます。

一言一句は覚えていませんが、「掴んで足を絡めて投げると、反則です。よくアリスター選手がやりますが」と館長が説明したとき、会場がもうひとつざわつきました。MMA出身の筋肉だるまに、創始者がフェアプレーの注文をつけたようです。

館長があえてこうしてリングに上がった理由は、角田氏が「浪花節」「試合は仕合い」「よっしゃあ男節判定」などのあいまいで情緒的な判断を用いてルールを動かしてきた結果、「ルールが荒れた」状態になっていることを懸念してのことがあると思いました。また、ソウルの開幕戦でアリスターが頻繁に使った「投げ」が話題になり、ルール確認をする必要性があったのでしょう。

あえてこの重要なグランプリ前、世界の取材クルーもいる前で、しっかりとしたルール説明を基礎的な部分から行ったことには意味があるのではないでしょうか。

経営者、正道会館の創設者としての石井氏は有名ですが、指導者としての能力も非常に高いと聞いております。言葉の一つ一つが聞き取りやすくはっきりしていて、「武道の先生」という印象は相変わらずでした。健在ですね。


▼開会式


普段どおりの爆発、音楽、演出、選手紹介。特に目立つことはありませんでした。このへんにテコ入れはそろそろしたほうがいいと思います。リングの下がぱっくり割れて選手が飛び出してきたりとか。音楽もいつものエンドルフィンマシーンじゃなくするとか。みんなもう驚いてないでしょ。開幕の演出。

さて、特筆すべきことは、客の反応でしょう。

もう、ジェロムよりもバダ・ハリへの声援のほうが大きい。去年は、アーツ、バンナのレジェンドに対する声援が新世代より目立ちましたが、今年のGPは完全に逆転。エロジマンも人気ありますね。
この時点で、ようやくみんながK-1の政権交代を受諾してくれたのかな、と思いました。
この日のバダ・ハリやエロジマンに送られる歓声が、さらに新世代に波及し、ダニエル・ギタやグーカン・サキ、タイロン・スポーンに広がっていく応援を、ブログ上でもどんどんしていきたいですね。


▼第1試合 リザーブファイト1 3分3R延長1R
○ピーター・アーツ(オランダ/チーム アーツ/K-1 WORLD GP 1994&1995&1998優勝)
●グーカン・サキ(トルコ/チーム レベル/K-1 WORLD GP 2008第3位)
判定3-0 ※29-27、30-27、29-28


この日はジャッジスタッフの中に、外国人が一人混ざっているようでした。
ピーター・アーツはアリスターに破れて、モチベーションの低下が指摘されていましたが、全然やる気満々。肉体もアリスター戦よりさらに引き締まって、のようです。

39歳。うーん。凄い。果たして、バダ、エロジマンらが39歳になったとき、まだ現役でいるだろうか?

相手は、トルコの英雄サキ。サキは8月のズラフリオフ戦で捻った足のダメージが残っている印象でした。しかし、相手はレジェンド。アーツの年齢から考えても、サキがこのレジェンドに挑める機会は最初で最後ではないでしょうか。ワンツーから、会場中に響き渡るローキック。アーツもガンガン前に出て応戦しますが、ほぼ互角の1R。

2Rは蹴り合い。殴り合いが主流の現代K-1では珍しい、蹴りの応酬が繰り広げられました。
サキのローと、アーツのミドル。サキが左フックを放った瞬間、電撃一戦。カウンターでアーツの右クロスがサキの顔面を直撃し、ごろりとサキは後ろへ転がりました

結局、このダウンのポイント差を取り返せず、アーツが勝利します。しかし、3Rはサキの蹴りが確実にアーツにダメージを与えており、ダウンがなければゲームは互角でした。見方によっては、ピーターに迫る年齢という壁が大きく見えてきたマッチだったのかもしれません。

私がそれよりも一番伝えたいのは、グーカン・サキという男の存在です。サキは背が低く、体重も他のメンバーに比べれば一回り小さい。

それでも、アーツ相手にここまでの試合ができ、勝てる実力さえ身につけていることは脅威と言ってもよく、常々言ってますが、チームドラゴンのようなサークリング作戦も面白いですけど、このグーカン・サキの戦法と精神的強さにこそ、日本人が本当にヘビー級で戦うための実が詰まっていると思います。

なぜかと言いますと、この17年間、K-1における日本人選手最大の弱点は「後半の失速」にあると私は思っています。序盤は互角に外国人とやりあっていても、後半になるに従ってペースを乱し、相手のパワーに押されるのです。それは体重が同じであるはずのMAXでも同様で、佐藤嘉洋選手がドラゴに苦杯を舐めさせられた福岡での試合などは、その典型例だと思いました。
魔裟斗は延長に入ってもスタミナが切れることはありません。そして、強豪と呼ばれる外国人選手のほとんどは、4R,もしくは5R同じペースで戦えるだけの持久力があります。

サッカーでもそうですよね。日本代表は後半で息切れし、失点を重ねるケースをよく見ます。

このグーカン・サキはヘビー級では小さい身体でありながら、自分よりも大きな相手であっても9分、12分戦えるエネルギーを常に見せてくれます。その秘密が練習にあるのか、戦い方にあるのか、試合ペースにあるのか、プロファイターではない私にはわかりませんが、なんらかの回答を持っているような気がするのです。


▼第2試合 トーナメント準々決勝 3分3R延長1R
○バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム/前K-1ヘビー級王者)
●ルスラン・カラエフ(ロシア/フリー/K-1 ASIA GP 2008優勝)
KO 1R38秒 ※右フック


熱狂のライブショーは、この試合より始まりました。リザーブには、我らがアーツも控えているし、もう誰が怪我をしても大丈夫。
何が起きても楽しめる。そんな空気に包まれた会場で、バッドボーイがファイナル8人の先陣を切って入場してきます。

対戦者ルスラン・カラエフは昨年よりゴールデングローリーに加入し、攻撃一辺倒だったスタイルが徐々にコンプリートスタイルに変換されています。

しかし、ただ落ち着いて構えているだけでは、生身の真剣を持つ男にはただ斬られるだけ。
ルスランには、作戦がありました。
バダ・ハリが、セーム・シュルトを倒した際に用いた、ゴング&ラッシュ
ゴングとともに、ファンの期待という名の濃い液体が会場を浸し、そしてわずか10秒後、それは瞬間的に沸点に達しました。

開始直後に、ルスランはバダに圧力をかけ、ロープ際まで押し込みます。後は数々のファイターをリングに沈めてきた、史上最速のフックが優勝候補の顔面に、ボディに乱射されます。

ノーガードの喧嘩を挑んできた命知らずのロシア人に、オランダの悪童もまた、渾身のフックで応戦。悲鳴と怒号が鳴り響く中、右フックが目の付近に命中し、ルスランがまずダウン。しかし、ダメージがあるダウンではなく、目の傷のチェックの後すぐに再開。

すると今度はバダ・ハリが追い打ち。またしてもロープ際の乱打戦、目にも止まらぬ早業で、秒単位で攻守が入れ替わる濃密なバトルが展開され、復権を望むバッドボーイが最後は多分左でダウンを奪い、2ダウンで勝利しました。

長期戦が不利と悟ったルスランとジムの作戦は、間違っていなかったと思います。先にルスランのパンチが当たっていれば、試合は全くの逆展開になったことでしょう。わずか38秒でしたが、ルスランはルスランのやれることをすべて遂行し、そして敗れたのです。
今回の彼の作戦は、あくまで対バダ用の特殊ケースであって、来年以降は京太郎戦のように落ち着いて戦う姿が見られることでしょう。

この時点で、バダ・ハリは無傷。客の興味は、次の試合「アリスターが無傷で勝つのか、否か」そこに絞られました。もし、アリスターがテイシェイラ戦で長期戦になるようだと……。

バダ・ハリが非常に有利なのではないか……?

バダがアリスターに突きつけた「38秒」という挑戦状は、「筋肉おばけ」にとってプレッシャー足りえるのでしょうか?

それにしても、となりの若めの女性が熱くバダを応援していたのが気になりました。
勝利の瞬間、「よっしゃああああああ!」
って。。。。。。。

結構筋金入りのファンなんじゃないかな。

みると、会場は結構カップルの姿も多く、女性の割合も3割近いのではないかと思いました。

なによりも、会場の席がガッチリ埋まっている。うん。いい感じだ。ノレる。


続く。


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by the_kakato_otoshi | 2009-12-07 14:34 | K-1

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