2009年 K-1 WGP 総括 ~ファイナル8進出選手編~
ダイナマイッの発表が行われているよーですが。


今日から2回にわたって、WGPシリーズの選手採点&総括を行います。MAX編が好評だったため、WGPもやっちゃうよ。

(選手の対戦成績にはK-1WGPシリーズ(全6戦)と、It’s Showtimeアムステルダム大会の7大会のみを参照とします)

2009年 K-1 WGP 総括

<ファイナル8進出選手編>


セーム・シュルト(オランダ):5勝1敗:9点

2009年王者にして、円熟期を迎えた最凶巨神兵。212センチ130キロで、スピーディに身体を動かせるという「存在そのものが反則」といえるファイター。5月のIt's Showtimeでバダ・ハリにKO負けを食らい、一部ファンが「これを機に呼ばれなくなるのでは」と危惧されるほど不人気な王者だったが、そんな声を余所に開幕戦でギタに勝利すると、ファイナルでは対戦組み合わせにも恵まれて4度目の王座を獲得するに至る。優勝の瞬間、フジテレビのブースからはバダ・ハリに対する「惜しい」というコメントしか聞かれなかったあたり、どれだけKOの山を築いても、「超えられない壁」というものがあることを実感させられる。ちなみに、スパーリングパートナー、ヴィタリ・ミトゥの死がシュルトと組み手の直後だったという噂があったが、外傷はなく死因は難病による病死だった。優勝の直後、「ミトゥに勝利を捧げる」とマイクでアピールするも、通訳は完全スルー王者への風当たりはまだちょっと冷たい


バダ・ハリ(モロッコ):4勝1敗:10点

K-1の人気拡大に絶大な貢献をしているのが、この“ゴールデンボーイ”バダ・ハリである。去年までのトラブルメーカー、バッドボーイのイメージを一新。「大人の男」へ変貌を遂げ、フェロモンを振りまいている。自信に溢れ、コメントひとつを取ってもK-1を背負う風格が感じられるようになってきている。昨年、大晦日でアリスターに負けたことが本当に「いいクスリ」になっているのかもしれない。5月にシュルトからKOを奪った際には、「俺じゃなくてはできない」と試合後に語ったが、反論できる者はいないだろう。海外のファンは相変わらず賛否両論あるようだが、彼がイスラム教徒であることもキリスト教圏の一部のファンに嫌われている原因らしい。このあたりは日本人には理解し難い部分。とにもかくにも、90年代のK-1を愛する「K-1LOVE」なバダ・ハリは、来年こそ王座を狙う。GP準決勝のアリスター戦は今年のハイライトとも言える名勝負だった。文句なしの10点


レミー・ボンヤスキー(オランダ):3勝1敗:8点

2008年王者。3度王者になっているが「優勝するたびに文句を言われている」とされる。実力はK-1屈指。トップレベルを2003年以降ずっとキープし続けている真のアスリートである。ただし、性格に難があり、空気を読まないことにかけてもK-1屈指だ。ファイナル前の記者会見では、「K-1選手みんなでアリスターをやっつけよう!」と呼びかけるが、自身が彼と戦う可能性があるのは決勝戦だった。……姑息だ。つまり、「逆のブロックでちゃんと潰しておいてね」というメッセージである。これはアリスター自身に「自信がないんじゃいないの?」と突っ込まれた。3月の横浜大会でも、アリスターに「演技」の賞であるオスカー像(レプリカ)を渡され、勝った後に返却するという嫌味を見せた。今年は左膝の手術を行ったが、ほとんど動かない左足でアリスター、マヌーフ、エロジマンに勝ち、シュルトからダウンを奪うなど、やっぱり実力はK-1屈指だ。


アリスター・オーフレイム(オランダ):2勝2敗:8点

2009年、K-1のビッグサプライズは、MMAファイター・オーフレイムの大活躍だっただろう。2008年の大晦日にバダ・ハリからKOを奪ったときには、まだその実力は懐疑的だったが、開幕戦でアーツから完勝した際に評価が急上昇。ベスト8でテイシェイラを失神させたときの戦慄はいまだかつてないインパクトを残した。その尋常でない筋肉から生み出されるパンチと、膝は他のどのファイターにとっても驚異であり、恐怖となる。K-1を「簡単な競技」とディスリスペクトし、他のファイターを怒らせ精神的優位に立とうとした心理戦にも長けているが、アーツに勝利したことを「ちょっと辛い」と語るなど、K-1のレジェンドへの想いを口にしている。バダ・ハリが思いのほか冷静だったこともあり、宿敵にリベンジを許したが、谷川氏はシュルトとの禁断の同門対決を実現させるつもりらしい。10点としたいが、「ある疑惑」について懐疑的なファンが多いことから、2点引いておく。


ルスラン・カラエフ(ロシア):1勝1敗:6点

KO負けが多いファイターだが、ゴールデングローリーに移籍して戦術を覚えつつある。しかし現状では、ライバルと言われたバダ・ハリとの力量差が感じられる。ヘビー級王者の京太郎をテクニカルに完封するなど、成長の証は随所に見られた。バダ・ハリとの準々決勝では速攻にすべてをかけるが、あっさりと返り討ちに遭う。しかし、飛び込んでいく勇気はK-1随一で、誰と戦っても「勝ち目」がある選手と言える。


エヴェルトン・テイシェイラ(ブラジル):2勝1敗:3点

昨年、大いなる期待とともに参入したブラジルの新怪物は、年があけて迷走と失望を呼び込んでいる。近年、衰えの著しいバンナ戦をほとんど差のない再延長判定勝利でなんとか切り抜けると、9月の開幕戦ではアジアGP王者でまだ経験の少ないジャディブに完全に主導権を握られたが、空手びいきとも思える審判の判断で勝利を掠め取った。この2試合で、現状はファイナル8に通用するレベルではないことを証明してしまう。案の定、ベスト8のアリスター戦で、わずか開始1分でKO負けを喫してしまった。ジャディブがアリスターと戦ったほうが、まだマシな試合をしたような気がする。K-1ルールに慣れようとするあまり、スタイルを見失っているのではないか


ジェロム・レ・バンナ(フランス):1勝2敗:3点

開幕戦で引退する戦友・武蔵に敬意を払って土下座する姿に、かつてのふてぶてしい帝王の面影はない。ファイナルの8名の中で、彼とテイシェイラが「ボーナスステージ」となっていたことは、K-1ファンとしては残念至極。かつてその左腕で猛威を揮ったフランスのバトルサイボーグは、いまや伝説の中だけに生きる存在となってしまった。なんとかもう一花というファンの心情も理解できるし、本人もまだやれると思っているのかも知れないが、現実はシュルトのミドルキックで軽くKOされてしまった準々決勝がすべてだろう。あまりに哀しく、切ない光景であるが、それが印象に残らないほど、新しい力は彼の知らないところで台頭している。


エロール・ジマーマン(キュラソー島):1勝3敗:6点

面白い試合をすることにかけては、バダ・ハリに並ぶエンターテイナーである。まだ23歳と若く、技術的にも荒いが、「人生ではじめて一生懸命練習した(byバス・ブーン)」12月の決勝戦では、レミー・ボンヤスキーに肉薄した。重い右ローキックに、左右のフックはまるでハンマーのようだった。負けが先行してしまったが、今年は経験を積む年になっただろう。これをきっかけに、エロジマン旋風を巻き起こして欲しい。幸いにして、フジテレビのバックアップもありそうだ。準決勝に残った4人に次ぐ存在として、クローズアップされる日は近いだろう。得意技は劣勢の後に爆発的な巻き返しをみせる、通称「エロジマンの死んだふり」。ファイトスタイル、ルックス、キャラ、ニックネームのマッチングがいい感じの、次世代君だ。



次回は、ファイナル8に残れなかった選手を採点します。

来年のファイナルは大幅入れ替え?→人気ブログランキングに1票

にほんブログ村 格闘技ブログへ

K-1歴代大会のDVDを購入する
[PR]
by the_kakato_otoshi | 2009-12-15 13:57 | K-1

「K-1」についての情報・コラム。ツイッターはEbi_Knight。ご連絡はkorgradiasアットマークmail.goo.ne.jp
by the_kakato_otoshi
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
検索
最新の記事
さらばゴールデンボーイ? バ..
at 2011-09-29 23:48
番狂わせあり、名勝負あり、7..
at 2011-09-25 21:58
ショータイム70kgトーナメ..
at 2011-09-25 17:10
ほほ笑みの国
at 2011-08-21 23:51
明日からちょっと
at 2011-08-19 22:49
アクセス
ファン
ブログジャンル
画像一覧