そこに未来とお金はあるか? 2010年の格闘技を展望する
WGPを回顧→【音声ブログ】かかとおとしポッドキャスト公開中

4年目のかかとおとしです。毎度恒例の実家帰省の為、今年は今日で更新を最後にしたいと思います。

今年一年、お付き合いいただいたみなさん、ありがとうございます!

<景気後退とK-1>

ムチャクチャ盛り上がった10月のMAXファイナルと、12月のWGPファイナル。景気後退の日本ですが、K-1はまだまだ熱いですね。

来年以降も日本の景気は後退していくと思います。その影響はスポーツ界にも及んでいることは、みなさんもご存知だと思います。

例えば、F1のTOYOTAとHONDAというジャパンテクノロジーの象徴が撤退したことは、如実にそれを表していると考えます。誰が悪いとか、そういうことではなくて、日本のあらゆるシステムが時代の変化に抗いきれずに、疲弊していることに他なりません。

ようやく、今年は政権交代などが起こり、日本人がシステムの変化を求め始めました。
当然、その反発で変化を恐れ、保守主義、(既得権益の)保護主義に倒錯する人たちも多いようです。逆に中国の影響を受けて全体主義に流されていくかもしれません。

さて、この綱引はどちらに軍配があがるのか。見守るより他はありません。

個人的に、日本はもともと海外由来のものを上手く自国に馴染ませて進化していくのが得意な民族であると思っていますし、それが「大和魂」ではないかと考えています。
最終的に、勝つ。それが「大和魂」ではないかと。だから、特攻隊宜しく、正面から突っ込んで散る覚悟を「大和魂」と呼ぶのは、自分的に違和感があります。
したたかに、相手をひょうひょうといなして、自国の利益を呼んで欲しいですね。もともと資源に乏しい国なんですから、人より頭を使わないと、とてもじゃないけど生き残れないでしょう。

<お金がない!>

話は逸れましたが、格闘技の世界も世界経済の荒波の中で揉まれていますね。2009年の日本格闘技・裏のテーマはまさしく「お金がない!」っていうことだったんじゃないでしょうか(笑)?

地上波テレビ局への依存度が高い日本ですが、近年ではテレビを見る人口そのものが減少しています。ネットの動画サイトなどの普及で、わざわざリアルタイムで番組を見る人が減りました。

不況による広告収入不足などで、ただでさえ高くなかった番組の質がますます低下し、稚拙なVTRとつまらないフリートークでゴールデンタイムが占拠されています。報道番組ですら、吉本とジャニーズのタレントが幅を利かせていない日はありません。爆笑問……お笑い芸人が、堂々とピントのずれた左巻きの主張を声高に繰り返す気の狂ったような番組もいまだ放送を辞めていません。

結果として、ますます国民のテレビ離れを招き、予算の縮小を余儀なくされ、その余波は当然、スポーツ中継にも及んでいるようです。

DREAMの有力な外国人選手がストライクフォースと契約したり、秋山や宇野という日本人ファイターですら、UFCへの挑戦を選びました。

K-1でも、3月の横浜大会をキャンセルしたバダ・ハリが5月のオランダでの大会に出場するなど混乱は続きました。当時FEGが資金的に問題があることを、It's Showtimeのサイモン・ルッツ氏が記者会見で漏らしましたね。恒例のアムステルダム大会も行わず、規模の小さな予選を3回だけひっそりと開催し、なんとかシステムを保ちましたが、「去るものは追わず」というよりも、「去るものを追えず」だったような気がします。

<金がないから知恵を出す>

Dynamite!!の出場メンバーをご覧になったでしょうか?

魔裟斗の引退試合は今回だけの特殊ケースだから置いておくとしても、選手のラインナップを見ると中量級、軽量級の日本人選手に偏っており、「迫力」や「世界」を感じさせるようなスケールの大きいマッチメイクは乏しく、ずいぶんと小ぢんまりとした様相です。

なんとか戦極を口説き落として「吉田vs石井」を手にするなど、知恵と手を尽くしたことは間違いないのでしょうが、「予算の削減は年末といえども例外ではなかった」かと、寂しく感じたものではないでしょうか。なにも、ボブ・サップvs曙太郎をやれと言ってるわけでも、ボビー・オロゴンを出せと言ってわけでもないですが。

現代はお金の量=求心力ですから、致し方ないでしょう。それでも、12月のK-1WGPはどういうマジックを使ったのか、凄まじく豪華な大会になっていました。FEGとフジテレビの意地と言うべきでしょうかね?

知恵といえば、YOUTUBEやツイッターというファンに直接伝えられるメディアをK-1自身が持ちはじめたのは、今年でした。来年以降も継続的な情報提供をお願いしたいと思います。

<2010年のK-1>

さて、ここで来年以降のK-1ワールドグランプリについてわかっている情報をまとめましょう。

K-1は海外予選を自前で興行せず、現地のプロモーターに予選を開催する権限を与える方針で大幅にチェンジ。リトアニア、ロシア、フランスなどで予選が開催される方向で考えているようです。

欧州の有力プロモーション、It’s Showtimeは単独開催数を倍増させ、オランダ、ベルギー、ハンガリー、イタリア、トルコ、英国などでの興行を計画しています。
ただし、5月のアムステルダム大会でバダ・ハリの対戦相手としてレミーにオファーしましたが、これは2008年の王者が断りを入れたそうです。

東欧のプロモート集団「collizon」は引き続き協力を継続していくのではないかと言われています。欧州でのK-1ルールの大会は目立って伸びてきており、FEG主催興行ではなくとも、キックボクシング=K-1というルールの格闘技として認知されているような気がします。

アメリカ大陸に目を向けると、TUFのようなK-1のリアリティショーを企画しており、2010年はこれが北米で放送されるようです。米国予選も復活させ、HDNetと連動して北米再進出を狙います。こちらは、まだまだ始動したばかり。開花するのは数年後でしょう。でも、夢のあるお話ですねぇ……。

日本国内では、3月~4月に恒例のワンマッチ大会を開き(公言済)、12月に決勝戦というプランは変わらないようです。

個人的には、今年8月に行ったような世界最終予選も日本でやってほしい。若手以外に、レイ・セフォーのような出場権のないベテランも交えて、【ガチ】な大会を期待したい。

とはいえ、基本的にベスト8+予選突破者+推薦枠という昨年までのシステムは急に崩せないでしょう。谷川EPが目指す推薦枠の撤廃は、まだ先になると思います。


MAXのほうは、日本代表決定Tを開催することがすでに決定していることから、2009年と同じようなシステムで進行していくものと予測されます。それと、K-1甲子園ですね。いずれも、魔裟斗、HIROYAというエースがいなくなって初めての年ですから、動向には注目です。


<目立たなかったMMA部門>

また、FEGの総合格闘技部門は昨年、内藤や亀田の高視聴率の後を次いで2度ゴールデン放送され、なんとか数字だけは獲得することに成功しました。TBSの編成の妙と言えるでしょうが、テレビ放送の目玉であるのはボブ・サップ、チェ・ホンマン、山本KID、所英男の4名。結局HERO’S時代のリソースを消費しているだけであり、このうち所以外の3名は競技力の低下が著しく、喫緊の課題としてゴールデン放送に耐えうるコンテンツであるための、新しいスターが必要になっています。

自分としてはK-1で知名度を伸ばしたアリスター・オーフレイムあたりを中心に、ヘビー級戦線を再構築してほしいと思っています。スター性が不在の軽量・中量級戦線のマニアックで勘違いした選手を中心に据えて、いつまでも、高齢化を続けるコアなMMAファンに沿った運営をしているようでは、市場規模を狭めていくだけでしょう。

とはいえ今後も、「outwoad」なK-1、「introversive」なDREAMという棲み分けは続けるしかない情勢ではあるんですけどね(汗)。

<スポンサー、撤退?>

噂されているメインスポンサーFielsのスポンサーシップ撤退ですが、これはない話ではないと思います。

Fielsのオーナー、山本英俊氏は中央競馬の馬主をしているので、競馬ファンの私はよく知っているのですが、資金力にものを言わせて、世界的な高額の血統馬を買い付けて輸入しており、それを当代一の調教師藤澤氏や関西の名調教師である角居氏に預けています。

その本音は、海外志向が強く、世界の王族との交流を始めるきっかけとして「スポーツオブキングス(王様のスポーツ)」である競馬(馬主)を始めたということです。

その王族とは、いまや世界の競馬界最大のオーナーであるドバイの王族に他ならないことでしょう。砂漠のど真ん中に世界に通用する競馬場をドカンと建てた競馬ヲタク、シェイク=モハメッド殿下の一族。これから世界を支配する力を得るかもしれない彼らとの交流は、野心家である山本氏にとっては、願ってもないことでしょう。

CRエヴァンゲリオンくらいしか興味のない、干からびたおっさんたちには関係ないことですが、、「パチンコメーカー」として考えるだけでは、このスポンサーシップを理解することはできないのです。K-1が常に海外志向を崩さないのは、スポンサーである山本英俊氏との方向性の一致でもあります。

しかし、サブプライムローン、そして今年のドバイショックで、ドバイの王族の力に以前ほどのパワーがなく、氏の思惑はかなりハズレてきていると見るべきでしょう。疲弊した国内経済の問題もありますし、撤退しても不思議ではないです。

山本氏がK-1とのスポンサーシップの価値をどこに置くのか次第では、継続も十分ありえますし、撤退もあるかもしれません。
残念ながら、こればかりは私の考えが及ばない範囲です。

K-1がスポンサーに「どれだけの大きな夢をプレゼンできるか?」という一点に尽きるでしょうか。

<来年も宜しくお願いします>

さて、2010年日本の格闘技はどうなっていくのか。そしてK-1の明日はどっちに進んでいくのか。いずれにしても日本経済そのものが沈没気味な今、改編期を迎えるのは間違いなさそうです。


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追記:これまでお世話になりっぱなしだったスポナビのTBセンター様ですが、スポナビ格闘技のトップページにはTBできない仕様に変更されました。これによって、以降アクセス数は半数くらいになるかと思います。いま、当ブログにあそびにきてくれている方の中にはスポナビTBからやってきた方が多いのではないでしょうか。しかし、来年以降も変わらずご贔屓のほど、宜しくお願いします。はい、ではまず、ブックマークしましょう(笑)。
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by the_kakato_otoshi | 2009-12-25 11:05 | K-1

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