ただ、最近「ブログ」というメディアが飽和状態になってきていることも事実ですね。ただ、「ツイッター」では伝えられないような情報もあるし、コメント欄をいっそ閉鎖して、話があったらツイッター・・・というのもいいのかなぁ? 常連のみなさん、どうですかね。あー迷うわ。
あと、他のブログ様にも最近コメントできてません。ちょっと忙しくて。ごめん!
【音声ブログ】かかとおとしポッドキャスト公開中
http://www.chief108.com/showthread.php?t=3406
FightClub108においてアンディ・サワーのインタビューが掲載されていたとのことです。下記はオランダ語を英語に訳したものを、さらに日本語にしたものです。
アンディ・サワーが大晦日、ダイナマイトでの魔裟斗戦について興味深い内容のインタビューに答えています。かなり長いので、重要な部分だけを抜き出しました。
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-こんにちは、アンディ、まずはインタビューを受けてくれてありがとう。大晦日のダイナマイト、魔裟斗戦ですが、見解をお聞きしたい。魔裟斗は、キックボクシングそしてK-1のトップファイターだったと思いますか?
「魔裟斗がファーストクラスの選手であることは当然証明されている。彼はクラウス、ブアカーオ、キシェンコ、佐藤嘉洋、そしてボクにも勝利している。確実に日本における伝説なんだ。彼こそがK-1 WORLD MAXを作った人物であり、だからこそ受け取るお金も倍なんだよ。正直に言うと、彼が世界のキックボクシングで、先駆者としての役割を果たしたかどうかはわからない。ボクが知っているのは、魔裟斗はK-1MAXの選手の中ではトップであり、MAXの世界でナンバーワンだいうことだ」
-振り返ると、あなたは「MAXは魔裟斗だけのものではない」と言っていますが、時々他の選手は助手かなにかではないかと思うときがあります。同時にあなたは、魔裟斗はK-1の顔役であるとも。魔裟斗が引退を表明し、あなたがMAXの顔役の一人であることに何を感じますか?
「MAXのために、自分ができることをやるだけだよ。K-1がボクにリードする役割を担ってくれと言えば、NOとは言わないだろう。MAXではクラウスとブアカーオのほうがボクより長く戦っている。これは「時間」で言えばだが、MAXでの勝利数はブアカーオとボクが最も多いんだよ」
-魔裟斗の引退試合に指名されたことについては?
「自分が高く評価されたということで、意味がある。魔裟斗はボクに負け越していたしね。10月26日のMAX決勝戦の後、彼はペトロシアンと戦わなくてはならないはずだったが、ペトロシアンは骨折していたんだ。だから、ボクとのドリームマッチが彼に残された可能性だった。ボクにとってスペシャルな経験だったね。本当は“彼のパーティー”を白けさせてやろうとしてたんだけど(笑)」
-これはインターネット上で話されていることですが、ジャッジが日本人であり、魔裟斗は多くの疑問の残る判定で知られていますから、あなたがポイントで勝利する可能性はないと言われていました。この件についてはどう思いますか。あなたの試合の準備に影響はありましたか?
「知っての通り、彼はみんなのお気に入りだし、そうなる資格を持っている。彼は日本をファイティングスポーツの盛んな地域に押し上げた。今回の試合が難しいものになることは知っていた。ボクはジャッジやレフェリーを疑問に思わない。これは、日本の興行なんだよ! できることを、すべて実行するだけだ。悲しいかな、今回は届かなかったというだけさ」
-魔裟斗は最近のインタビューで、左フックで試合を始め、左フックで終わると発言していました。にもかかわらず、右のローキックで試合を始めました。あなたを惑わすためである可能性もありますが、それでも左フックは警戒していましたか?
「ボクは聞いたことがないな。いちいち対戦相手の言うことを気にしていられないよ。はい、KOしますよ、はい、左フックで試合を始めますよって、そんなものは取り合わない。まぁ言葉と言えば、この日の最後に魔裟斗は引退のコメントをしたんだけど、覚えていなかったらしい。頭部へのダメージでね」
-アンドレ・マナート師とあなたはゲームプランを練り上げたそうですが、それを遂行できたのでしょうか。それとも、戦術の変更を強いられた?
「ボクたちには戦略があった。少しテンポを遅らせて戦い始めたのは、魔裟斗の現在の力を推し量りたかったからだ。魔裟斗はボクが思っていたほどの、力強さがなかった。作戦通りに、ボクは2Rからテンポを上げていったが、期待ほど彼のペースは落ちなかった」
-一般的に言われていることですが、あなたは複数の作戦を持って試合に望むとされています。選択肢を幾つも持っているのでしょうか。それとも、その場でプランを練り直すのですか?
「ボクは対戦相手についてすべてを知ることができるチームを持っている。だから、僕たちは対戦相手に完全に適応した作戦を立案するが、試合中に相手の様子を観て対応したいと思う。面白いことに対戦相手もまたゲームプランを持っている。ボクはしばしば、それを盗む。より、クレバーなファイターになれるんだ。以前に戦ったり、見たりしてね。今では、ボクは試合の度に上手くなっているよ」
-試合では判定で負けてしまいましたが、まだ魔裟斗との対戦成績が2勝1敗なので満足していますか?
「負けるのは大嫌いだ。どんなときでもね。負けると、涙を堪えられない。だけど、1時間後には元通りさ。魔裟斗は引退試合に相応しいファイトだったし、ボクはもうオールドジェネレーションだけど、まだまだトップクラスで戦えるよ」
-多くの人は、あなたのダウンについて議論をしていないわけではないのです。あの8カウントは正当だったと思いますか?
「あの瞬間、ローキックと彼の右が交差して、バランスを崩してしまったんだ。すぐさま立ち上がったのだけど、日本ではあれはダウンになる。レフェリーはダウンを宣告することもできたし、しないこともできる。あの4R中のダウンは、ボクにダメージを与えなかった。多分魔裟斗もそう思っていたのではないかな。ま、あれだ。勝つこともあれば、負けることもあるんだ」
-あなたはすでに魔裟斗から2度勝っていますが、精神的なアドバンテージはありましたか? また、試合の間隔については? これまで同じような状況での戦いはありましたか?
「もちろんその影響があったし、ボクは気分よくリングに上がれたんだ。魔裟斗もそのことを考慮に入れていたと思うし、最初の3分間は明らかに互いを尊重した試合になっていた。その後、ボクたちの試合はとても激しくなったし、以前に戦ったことなどは忘れてしまったよ。以前の勝利は所詮、前のことなんだ」
-あなたは「魔裟斗は最後の試合だから、いつもよりプレッシャーを受けているはずだ」と、言っていましたが、実際のところどうでしたか?
「いや、ボクにはわからない。彼はボクに勝利することにすべてを費やしたのだろうし、それはプレッシャーになっただろう。別の見方をすれば、魔裟斗はボクにこれ以上負けるわけにはいかなかった」
-魔裟斗は自らあなたと戦いたいと宣言しました。それはあなたに二度負けているからですか? それとも別の理由があると思いますか。
「誰もが負けている相手と戦って勝ちたいんだ。魔裟斗にとっては、それがボクだった」
-魔裟斗のゲームプランは予想通りでしたか? これまでと違いは?
「彼の試合運びは変わらなかった。ボクらのスタイルは少し似ている。パンチを多用し、コンビネーションを使うことだ」
-大晦日、試合後に新年のお祝いをする機会はありましたか?
「パーティをしたよ。ちょうど新年を迎えた瞬間、まださいたまスーパーアリーナにいたんだよ。ボクたちはいっしょにカウントダウンをして、カラオケバーに遊びに言った。チームメイトたちと、食事やチューニングの外れた歌を楽しんだんだ。妻と長男もそこにいた。家族だけで休む時間はなかったよ。オランダ時間の0時には、スカイプをしていて、軽くお祝いをした」
(中略)
-ファンはバックステージで何が起こっているのか知りたがるものですが、例えばK-1ダイナマイトなどでは何かありましたか?
「あまりないね。正直言うと、他のファイターとコンタクトを取らなかった。今回は個室で待機していたから、他の試合を観ることもなかったんだ。客の雰囲気に飲み込まれるからね。(後略)」
(中略)
-オランダ人にとって、とても素晴らしいことですが、あなたは5月のIt’s Showtimeアムステルダム大会に出場する予定ですね。アリーナで戦う意義はどのようなものですか。
「アムステルダムアリーナは、欧州の格闘技で一番大きなイベントだし、何か特別な場所だよ。ボクの応援するサッカーチームのホームスタジアムでもある。始めてアリーナで戦ったのは、シャヒッド戦だったけど、入場したときには鳥肌が立った。観衆の声で熱くなったんだ。ボクはオーディエンスのために戦ったし、今回のパジョンスック戦でもそうするつもりさ」
-あなたが今おっしゃった通り、アムステルダムアリーナでの対戦相手はパジョンスックですが、彼は以前オランダでトップファイターと戦いました。ほとんどボクシングだけで切り抜けてしまったようですが、どんな印象を持っていますか。過去に戦ったブアカーオやヨーセングライのようなタイ人ファイターとの違いはありますか。
「パジョンスックは難しいファイターだ。彼はボクシングもキックもできる。そして、フィジカルがとても強いね。選手には個性があるので、他のタイ人ファイターと比べるのは不可能だ。パジョンスックは年間を通じて欧州で戦い、ヨーロピアンスタイルを取り込んだ。だから彼は典型的なタイ人のスタイルではないね。ボクにとって面白い経験になるだろう」
-2009年で最も素晴らしかった瞬間は?
「キシェンコに勝てた時だね。本当はMAXで優勝し、魔裟斗を倒したと言いたかったが、不幸にもそれは実現しなかった」
(中略)
-私たちはあなたがベストな2010年を送れることと、すべての分野での成功を願っています。そしてあなたの夢が実現することを。最後にこれを読んでいる方やファンになにかありますか?
「すべてのファン、サポートしてくれている人の幸せと愛と健康を祈ります。そして、病気や障害に苦しむすべての人々に、2010年再び健康を取り戻し、彼らの愛と友情と信頼を願います。今回はインタビューと、サポートをありがとう」
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アンディ・サワーは、プロフェッショナルですね。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演できそうな感じです。
特に今回のインタビューでは、ファイターのメンタリティについていろいろと語っています。その意味で貴重なコメントだと思いますよ。
彼の返答、そして振る舞いはスポーツ選手、アスリートとしてのそれであり、
オランダ人ファイターに共通する、欧州的な「スポーツマン=紳士」として洗練されていると思います。
まだ20代ですが、すでに大ベテラン、レジェンドとしての風格を備えた2タイムス王者。
今年はファディル・シャバリ戦、パジョンスック戦、そしてMAXのトーナメントと、フル回転が予想されています。
アンディ・サワーは魔裟斗戦で不運なダウンで敗れましたが、試合全体を通じてはやや優勢でした。
終わってみて「魔裟斗のほうが遥かに強かった」という印象を受ける試合ではなかったですし、サワーの価値というものは上がりこそすれ、落ちないでしょう。私などは、相手のアウェーでも、常に勝利を求めて戦う誇り高き選手だなぁと感激すらしましたよ。
ペトロシアンへのリベンジ、そして欧州に上陸するタイ人選手たちの戦い、まだまだサワーの仕事はたくさんあります。数々の激戦の末には、彼のリスペクトするラモン・デッカーのような存在にいつかなっていくのでしょう。
えーと、それからいよいよジャッジやレフェリーの問題は帰路に立たされていると思います。
亀田一家のボクシングや、DREAMのような「国内仕様」のイベントではなく、K-1は曲がりなりにも「ユニバーサルマーシャルアーツ」を目指すのであれば、このインタビュアーが述べたような「判定の疑問」がなるべく少なくなるようなジャッジング、レフェリングが必要なのです。
どれだけ他の試合で公平にさばいていたとしても、1つの重要な試合だけですべてが疑われるのが世の中なのです。角田氏のように「レフェリーも人間だから」などとつまらない言い訳をせずに、ひとつでも上のレベルを求めて欲しいと思っておりますよ。
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