K-1横浜大会、誰よりもハングリーな漢は……
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K-1 WGP in YOKOHAMA 予想大会、絶賛開催中

<WGP、個人的なテーマは「ハングリー」>

K-1初期、キックボクシングは今以上に全く金になるスポーツではなく、大抵の選手は多くの仕事をしながらこのスポーツを続けてきました。
例えば、軍人だったシカティックや、警察官だったミルコ、ドアマンだったグレゴリーや、バーテンだったマット・スケルトン、教官だったホースト、銀行勤めだったレミー……挙げれば切りがないほど、あらゆるジャンルの職業家が、その仕事をこなしながらリングに上がっていた時代でした。
翻って考えれば、荒削りながらあれだけアグレッシブな試合が出来た理由でもあるのかな、と。ファイトで禄を食む為に、KOで勝利して主催者と客に好印象をあたえるために、ハングリーに前へ出た時代でした。

<職業選手の時代>

今はK-1の影響で、欧州各地でキックの大会が開かれ、UFCの影響で米国を中心にMMAの大会が盛んに行われ、ファイトマネーで生活している専業選手も多くなりました。

2000年代はそういった「職業選手」の時代であったようにも思われます。
日本を中心に活躍する選手もファイトマネーで生活する選手が多くなりました。
そうした中で、手堅く勝利をつかむためにアグレッシブさが失われていき、また、ハングリーだったはずの選手が突然裕福になったことで本来の魅力を失ってしまい、次第に主催者やファンから見放されていった選手もたくさんいたことと思います。これは、ゼロ年代のもう一つの顔でありました。

格闘技バブルも弾け、フィギュアの浅田真央やゴルフの石川遼のような、日本人の目玉選手が不在となり、いよいよこれから10年代のジャパニーズファイティングスポーツは文字通りゼロからの仕切り直しという展開です。

「ハングリーさ」というものが、私の観戦では大きなテーマになっています。
もう一度貪欲な選手が必ず浮上してくると私は考えています。

例えば“職業格闘家”となりハングリー精神を見せることができなくなったバンナ、イグナショフ……彼らが今ファンに期待されているのは、失ってしまった「それ」を取り戻すことですしね。

<奇跡的な参戦>

しかし、私は長年見てきた彼らよりも、もっと注目したいがいるのです。

ジャバッド・ポトラック。
日本人がもう半世紀前に卒業したはずの「戦争」をリアルで思春期に体感した男。
私より一年上のファイターです。私の学生時代、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボは戦場になり、空き地がどんどん墓地になっていたというニュースは連日報道されていました。
「歩いているだけで、狙撃対象になる」NHKの取材クルーはそうやってサラエボの現実を伝えていたことは未だ記憶に残っています。

その頃、私と年の変わらぬジャバッド・ポトラックは、兵士(警察官)として戦争のただ中にいたとFEGのPVで語っておりました。
警察官をやりながら格闘技を続け、今はキックボクシングの為、K-1の為にその職を捨てて覚悟を決め、いよいよ日本からのオファーやってきたとのことです。

ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のK-1ファイターはかつていません。おそらく、練習環境やトレーナーなどでは、K-1最先端のオランダとは比較にならないでしょう。この国からK-1の本戦に出場するまでのし上がることは、想像するだけで空前絶後の奇跡のような事実にほかなりません。

もちろん、彼の試合をYOUTUBEなどで世界中の人が閲覧できる状態になったインフラ整備の影響は多大だったでしょうけどね。

<vsアリスター・オーフレイム>

特に、彼の対戦相手アリスター・オーフレイムはゴールデングローリーという一流の選手を育て、一流のトレーナーとマネージャーがついているジムで長年練習しているのです。

一流国で先端的トレーニングを施されて“造られた”ファイターと、戦争の傷跡もまだ癒えぬ二流国で地道に汗を流してきた元警察官

かかとおとしの思い入れは必然的に、32歳で遅いK-1デビューを果たすボスニアのハードパンチャーに傾きます。K-1はこういう無名のパイオニアがある日突然成功する場であってほしいからです。すでにMMAで名を挙げ、「出稼ぎ」に来たアリスターよりもはるかにダンディズムと魅力とストーリー性があります。

そういえば、彼の経歴、K-1ファイティングネットワーク・プラハ大会優勝。このトーナメントが行われた日は、まさに私の第1子、娘が生まれた日である2007年12月15日。彼が未来のK-1ファイターとして注目されるきっかけとなった小さな大会が行われたその日でした。

この記事を書いた私も、まさかこのとき彼が3年後にアリスター・オーフレイムと横浜で試合をするなんて、思いもしませんでした。

<勝負の行方は神のみぞ>

公平に考えれば……大舞台での経験、体格、技術、トレーニング環境……それらすべてを考慮すればアリスターに敗北のニ文字は思い浮かばないでしょう。あの強烈な膝が顔面に入れば、いかに頑丈なポトラックといえどもエヴェルトン・テイシェイラの二の舞は免れません。

しかし、今一生懸命バンナが、イグナショフが取り戻そうとしているハングリースピリットを、惜しげもなく披露してくれるのは、このジャバッド・ポトラックを置いて他にないと思っています。もし、アリスターが彼を「スナック」として侮っているようであれば、万が一にもボスニアの狙撃兵に打ち抜かれることがあるかもしれません

奇しくも、先週のMAXでは、一番優勝から縁遠いと思われていた長島☆自演乙☆雄一郎がまさかの優勝を果たしました。

何が起こるか分からないのがK-1です。どんな下馬評もひっくり返る可能性があります。

そんなわけで、私はジャバッド・ポトラックから目が離せないのです。





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by the_kakato_otoshi | 2010-04-02 10:18 | K-1

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