「武力まがいのオレンジ」さんに欠けていた決定的な視点
スポナビブログで掲載されていた武力まがいのオレンジさんが筆を置きました。

スポナビを定期的に巡回していると、扇情的な見出しで興味を引かせ、
クリックせずにはいられない確信犯的なブログでした(笑)。

視聴率を取り、大衆を取り込んでこそのスポーツ格闘技であるという大筋の主張には同意できない面もナキニシモアラズなのですが、読ませる文章力はさすがと思わさせられました。
しかし、結局「オレンジ」さんが最後まで的を絞ってこなかった点があり、それこそが最も重要なことだったのに。
そう、私は思います。

派手な打ち合い。個性的なキャラクター。目を引くマッチメイク……。

「オレンジ」さんのみならず、いわゆる「視聴率主義派」とされる方々の主張は一貫して上記の3点を上げています。

しかし、私はこれらの要素は二番目以降だと考えています。

私はスポーツ放送(当然格闘技を含む)における最大の『引き』は「スケール感」「メジャー感」にこそあると考えております。

スケール感・メジャー感とは何か。

先日、日本代表が優勝したサッカーアジアカップ

深夜放送であるにもかかわらず、驚異的な視聴率を連発しました。
カタール戦は25%、韓国戦は平均35%。とんでもない数字です。
本田、長友、川島、香川ら若き日本のスターたちに加えて、西川、伊野波、細貝、李など日替わりで登場する控え選手の大活躍。攻撃的でパスがつながるスペクタクルなサッカーでした。

にもかかわらず、しょんべんくさいカウンターサッカーで膠着に終始したワールドカップパラグアイ戦の50%超という視聴率には及んでいません。

派手な打ち合い(点の取り合い)。個性的なキャラクター。目を引くマッチメイク(宿敵韓国)……。

という点においてはるかにパラグアイ戦を凌ぐ「視聴率獲得要素」を持っていながら、実際にはそれを下回っています。

「打ち合えない奴は視聴率を下げる、キャラの無い奴は出てくるな」という声はよくウェブ上で聞かれます。しかし、彼らの主張は的はずれなのです。現実にはそれ以上に重要なことがある。サッカー日本代表の視聴率は、それを明確に示しているのです。

では、アジアカップとワールドカップの違いはなにか。

「読んで字のごとく」です。

アジア王座決定トーナメントと、世界一決定トーナメントの違いなのです。

これを一言で

「スケール感」


と表せます。

オリンピックになると、普段誰も見ていないカーリングを一生懸命観るのはなぜか。

オリンピックそのものに、「スケール感」があるからです。

世界のナンバーワン。みんなが観たいのはそれです。

2010年。K-1WGPの視聴率が比較的堅調なのに、Dynamite!!の視聴率ががくりと下がったのは何故か。

スケール感がなかったからです。日本人選手ばかりのしかも軽量級のちょこちょこした試合にはマニア以外に興味はないのです。その内容がどれだけ面白くても、そこが一体何の舞台なのかというが非常に重要なのです。

K-1WGPはなんだかんだ言われても世界の立ち技最強を決める大会であることに変わりはありません。そのスケール感を国民は肌で知っているから、決勝戦だけは結構数字を取ります。
Dynamite!!で一番視聴率を取ったのは石井慧です。あんなにつまらない試合をする彼がどうして数字を取れるのか。それは彼が腐っても「オリンピック金メダル」というスケール感のある勲章を持っているからにほかなりません。試合が面白くて彼を見ているわけじゃないのです。彼の中にあるスケールの大きい実績を観ているだけなのです。(だから次第に観なくなるでしょう)

試合が面白い、面白くないは二の次なのです。
どれだけ「スケールの大きな」大会を見せることができるのか。そしてそれをプロモーションできるのか。

そこに世界のナンバーワンが集まっている。そこで勝つことは凄いことなんだ

そういう大会を作らない限り、どれだけ内容の濃い試合をしても「スポーツジャンルとしてテレビで成功することはありえない」と断言させていただきたく思います。

世界中で予選をやっている、世界中のファイターが集結する。そういう大義名分や謳い文句を外した時点でK-1を始めとする日本格闘技は消滅します。

ちっさい興行でも面白い試合さえやってればマニアはついてくるでしょう。しかし、ビッグプロモーションによる大きな大会が存在しないジャンルは消滅するか地下に消えるかの二択です。

K-1はその岐路に立たされています。

数字の取れる(と思われる)選手、面白いキャラの選手、面白い試合をする選手だけを集めて大会をやっても世間は振り向かないことをまずマニアは認知してください
駄目なことは続けないでください。主張するのもやめたほうがいい。そういう空気になっては困るから。

早い話、J2コンサドーレ札幌vs水戸ホーリーホックの超名勝負と、日本代表vsスペイン代表のつまらない公式戦が同時にテレビ放送された場合どっちを大衆は観るか。それを考えなくてはなりません。

やるべきことは、スケール感・メジャー感の確保。それだけです。

視聴率や人気を語るなら、試合じゃなく、世界を見なくてはならない。と言いたい。

そろそろまとめに入りたいです。

実に、K-1の最後の希望はMAXでもDREAMでもない。

K-1WGP。

そこに復活への鍵があるのです。

ここ数年、DREAMだK-1-63キロだと小さいマイナーな部分に力を入れてきたFEGですが、それも結構なんですけど、どう考えても「世界を感じさせない」マニア向けのコンテンツをメジャーにしようとして失敗しているところに問題があったのです。

よく頭を冷やせば、メジャーになることなんかありえないことがわかってくると思います。

DREAMもMAXも軽量級日本人選手をPRし「魔裟斗をもう一度」という夢を観たい気持ちはわかりますが、彼は格闘ブーム絶頂期に出てきて時代にフィットした特異選手であり、なんども彼のようなファイターが出てくる訳ではありません。また、当時は格闘技の「世界」が日本に集まっており、日本こそ「本場」だったから国内でしか試合をしていない魔裟斗が「メジャー」たりえることができたのでしょう。今、同じことができるのか? といえば難しいと思いますよ。

K-1はすでに立派な「スケール」を持っている。いや、本来はそれがスタートだったはずです。
K-1ワールドグランプリシリーズという世界にアピールできる武器があるんです。アリスターを、バダ・ハリを、ダニエル・ギタを。キャラとスケールを合わせ持つヘビー級ファイターたちの世界一を賭けたしのぎあいこそが、メジャーへの最安値のチケットです。

--

もう遅いかもしれません。遅くないかもしれません。
一歩一歩、愚直にK-1WGPを盛り上げていくのが復活への切り札です。
時間を掛けても一歩一歩です。


さようなら、オレンジさん。面白いブログをありがとう。

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by the_kakato_otoshi | 2011-01-31 10:26 | K-1

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