ショータイムジャパンについてちょっと掘り下げてみるとこうなる
昨日、ツイッターでメモ8さんにいろいろ教えてもらいました。

自分の興行に対する個人的な疑問がいくつか解消されたのでツイッターを使っていない方々にも是非読んでもらいたいな思い、こちらに文章をまとめた上で転載させていただきます。

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かかと 「It's Showtime Japanの記者会見「誰が世界で一番強いのか、という選手の夢や目標を作っていきたい」という下りが気になった。揚げ足取りかもしれないけど、選手やジムの為に大会を開きたいという意図を口にするのはいかがなものか?

例えば飲食店が開業するとして、「従業員の夢や目標を作りたい」と真っ先に口にする経営者がいるだろうか? まずいない。「お客さんに夢を与えたい」と言うのが普通なんです。だって、お客さんからお金を取って見せるんだから客商売。客をどう楽しませるかを語るのが当然。

「競技化を進めていくためにやってます」と仰るが、お客さんに何を観て欲しいのかを語らず、自分たちのやりたいことだけを一方的に言うだけでは、早晩立ちゆかなくなるのは明白。STJ様はお客さんの視点を持ち込めるアドバイザーを雇われることを提言したいですね」

メモ8さん「フォローもされてないのに失礼。その指摘は概念としては圧倒的に正しいんです。けれど、ひとつだけ間違いがあって。今の日本の興行のほとんどにおいては、一番のお客さんとは選手なんです。そういう収支構造になっているので。

チケットを買ってくれる人を抱えているのは選手なので。営業力を持っているのも選手なので。だから選手が出たいと思える舞台を作る。そういう発想になる。選手売りで入る金額より放映権料で入る収入の方が少ないんだから。

そんな構造は間違っていると思います。けれど誰もが霞を食っては生きていけないので。選手上がりの人達が選手の事を思って興行を作っていく。それが興行と呼べるものなのかは別として。当たり前の組織としてそれを選択せざるを得ない現実があります」

かかと「ご教授ありがとうございます。確かに現実は仰る通りなのでしょう。自分が関わっていたこともあるインディーズバンドの対バンライブがそのような感じでした。ただそれは小さな箱の話でした。しかしSTJはアリーナクラスで開催する予定だと言ってます。

アリーナクラスの興行を指向する方々が、果たして選手=お客さんという現状のままのスタンスであってよいのかなぁ。という点が僕の最大の疑問というか、腑に落ちなかったところです。

蛇足ですが、本体であるIt's Showtimeは深夜の短時間でありますがオランダの地上波で放送していますし、欧州・北米各国のテレビ局とも交渉しているようです。大衆化を目指してない組織ではありません。そこらへんも齟齬があるような気がしました」

メモ8さん「音楽業界も格闘技業界も、かなり大きなハコまでそういうレベルに構造が変わってきています。浮動票狙いは安定しませんし、何より不景気なので。いわゆるメジャーの実券率の低さはびっくりしてしまうレベルになってます。決して誰も良い事だとは思ってないんですが」

かかと「はい、それもわかります。メジャーとは名ばかりで普通に路上で演奏している「メジャー」も沢山います。僕は少しバブル脳なのかもしれませんが、旗揚げ目標としては高いものをみせて欲しかった」

メモ8さん「メジャーを目指す為には、まずは選手サイドが集まらないと目指しようがなく、バブルははじけているので、カネで釣れない。だから、やりがいで釣るわけですね。一定の効果はあると思います。そうしてしっかり足固めしてから上を目指すと。続かないと意味ないですから。

ひとつ朗報としては、J-SPORTSさんがついている模様である事。何が朗報なのかと言われると、説明が難しいんですが」

かかと「J-SPROTSさんは本体の放送もやってくれてますし、そういう流れになると思ってはいました。頼もしいです。

宜しければ一つお尋ねしたいのですが、格闘技興行ってプロモーションに対する予算は付いているのですか?大半、youtubeに告知動画も上がっていないし、ホームページも見難い所が多い印象なんです。もし付いているのであればどこに使っているのかと。もし宜しければ」

メモ8さん「ケースバイケースなんじゃないですかね。ただ採算考えたら広報に予算はあまり割けないのも確かで。つまり投資と割り切らないと無理なケースが多いんじゃないかと。それが無理なら広報の協力をしてくれるような兼スポンサーを探すとかですね

自分の場合は、ネット広報はあまり効果が上がらないという経験を自分のカネ使って学びました。時間とカネ使って動画作るより、スポナビで文字で扱われる方が、まだチケット伸びたりするので。オフィシャルって中々みにきてもらえないんですよ」

かかと「広報は2年3年経たないと結果が出ないこともありますし無理もない話かと思います。しかし、Fリーグの試合を観に行ったことがありますが、選手がお祭りやイベントにいつも出張ってPRしておりそれでチームの存在を知ったのです。きっかけ作りは大事なんだと思うわけです」

メモ8さん「そうですね、そういう構造を作る事をどのスポーツも目指していると思います。格闘技の場合は、選手や選手関係者の方々の意識がもう少し変わらないと無理だと漠然と思います。強くなる練習だけしてればいいというのが本来あるべき姿なんですけどねえ」

そうそう自分はあくまで、総合主体で考えてしまいますけど、キック系はいくらか状況はいいと思いますよ。あくまで総合に比較すればの話ですが。やはりK-1以前を経験している方も多いのでわかっている方が多いというか」

かかと「うーん。いずれにしてもある万人が楽しめる存在に格闘技を戻していかないとならないですよね。反応が身内だけだと動機付けが弱いと思うわけです。特にプロ選手なら……。難しい」

メモ8さん「そう思いますし、そう思ってない関係者の方が少数派だと思います。ただ戻すという表現が正確なのかと言ったら、それは微妙だと思いますけど」

かかと「そうなると話がターンするんですが(笑 STJの記者会見で「俺達はK-1とは違う。選手とジムのために真面目に競技化するんだ」と宣誓したので「内向き志向で失敗しそう」と思い最初のツイートになったわけです」

メモ8さん「ところが、外向き志向のK-1が明らかに失敗しているというのは、業界内部では既に常識なんですよね。あっちこっちに迷惑かけまくって。ところが後楽園レベル(苦笑)は、そこまで行ってないので、二者択一なら内向きになるんですね」

かかと「業界の方からもそのように伺ってます。しかしそれは結果であって方向性が間違っているわけじゃないですよね。キック系はK-1の恩恵があった部分もありますし。

で、まぁそうなると、いつもとやることが同じなら何故ショータイムと手を組むの?ってことがよくわからないわけです」

メモ8さん「ごくごく個人的な感想をひとつ。ファン時代にですが、谷川さんと話した事があります。インサイダーになってからも色々な人と知り合いましたが、あの人より頭のいい人と話したことないです。あの人がやってダメな方法は方法として間違っているとしか自分には判断できません。

提携の話はバランス問題だと思います。内向きだけではいけない事をわかっているからこその。なので、かかとおとしさんが批判した部分は自分には「うちはせめてギャラは払いますよ」宣言に読めるわけです。そんなのがアピールになってしまうのは悲しい話ですが」

かかと「なるほど得心がいきます。それにしても寂しい話ですが……谷川さんで駄目なら誰がやっても駄目っていうのは説得力がありすぎて思考停止になりますねぇ……」

メモ8さん「勿論、おれなら谷川さん以上に出来る! と野心持つ若い奴が、出来れば選手サイドからガンガン出てきてくれないと。老兵は去った方がいいと思います。少なくとも自分はそう考えています」

かかと「もちろん明日からテレビでやれとかそういう話じゃないですよ。SBなどがいろいろ試みているような少しでも外向きな話題の提供って絶え間なく続けていって欲しいなぁと思うわけです。取り上げられなくても、数を打てば何かは響くんじゃ」

メモ8さん「そう思いますけど、だからこそ体力勝負、つまりどんだけカネ引っ張って来れるかの勝負になるんですね。格闘技とは何の関係のない能力ですけど、そこが一番重要になってきて、今の時代それが一番難しいと」

かかと「話はずれますが、行き着くところ最低5000円のチケットをどう買わせるのかって話になるじゃないですか。キックなら9分、下手したら1分で終わっちゃうコンテンツに。それで「選手は試合をやってればいい」「強けりゃOK」っていう発想にはならないのではないかと思います。

それを考えれば、既存プロスポーツ以上のサービス精神が選手にも関係者にも求められると思うんですよ。リピーター増やさなきゃいけないわけですよね。選手には髪型ひとつでも強烈にこだわって欲しいと思うんですよ。強さだけじゃなくて、ルックスも。

そういうところを含めて、つまり金の掛からない部分でもクオリティに拘っていけるんじゃないかと思うんです。まぁ僕が選手ではないので、単に外からの感想なんですが」

メモ8さん「自分もまったく同意します。それを説得力もって選手サイドに伝えられる主催者サイドはあまりいませんねえ。少なくとも、自分はお願いする事は出来ても指示は出来ませんでした。だからこそ、主催者サイドも選手に説得力を持つ選手上がりがいいと思うわけです。

コスチュームひとつだってカネかかるんだ、なのにこんなに安いギャラで割り合わないと怒られた事ありますね(苦笑)。

新入社員が会社の経営考えてくれないのと同じで、若い選手にそこまで考えさせるのは無理な話なんですよ(と自分は思います)。だから主催者と選手の間に立つ人間、つまり指導者やマネージメントをする人間がそこをわかって指導してくれないと厳しいんですね。

結果として、同じ選手でもすごく意識に差が出てきます。かと言って、意識の高い選手が恵まれるのかといえば、状況はそうなっておらず。結果として、意識の低い選手も高い選手も違う方向から文句を言い出します。その辺の儲かってない会社以下の状況というか」

かかと「注目されるようになれば自然と意識していくんだと思いますが…ってはい、堂々巡りですね。いずれにしてもトップの人の方針が大事かと思ってます。「このイベントで何をお見せしたいのか」っていう」

メモ8さん「それはその通りだと思います。そして、立場が人を作るのは主催者側も一緒ですね。とにかく個人的には、主催者側も若い世代に期待です。ジジイは引っ込んでろって感じですね。なので自分も引っ込もうと(自虐オチ)」

かかと「今、格闘技は日本で消費しつくされてしまい、どの興行でもにわかもの(?)が5000円以上出せるスペシャル感がなくなってしまいました。失礼ながら若いプロモーターが目線を変えた別の見せ方をしていかないとならないと思っております。それが何かは、わかりませんが」

メモ8さん「全面的に同意します。お付き合い、ありがとうございました。絡んですいません」

かかと「非常に面白いお話ありがとうございました。感謝します」

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ほぼ同様の文面をルシフさんがトゥギャザってくれてます。
http://togetter.com/li/149324

かかとおとし常連の方々にもお目通しいただいて、
実際のプロモーターさんの生の感覚に触れていただければと思います。
んでもって、もしあれでしたらコメント欄に感想でも残していただけると嬉しいです。

http://twitter.com/Ebi_Knight←ツイッター

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by the_kakato_otoshi | 2011-06-15 10:03 | 立ち技全般

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