<-63kg Japan Japan Tounament Final>
◯大和哲也(K-1 MAX 2010 -63Japan王者)vs HIROYA(K-1甲子園2008王者)● 判定
◯卜部功也(K-1甲子園2008準優勝)vs 祐樹(RISE初代ライト級王者)● 判定
◯久保優太(K-1 MAX 2010 -63Japan準優勝)vs 才賀紀左衛門● 判定
◯野杁正明(K-1甲子園2009王者)vs 梶原龍児(Krush-63初代王者)● 判定
●大和哲也(K-1 MAX 2010 -63Japan王者)vs 卜部功也(K-1甲子園2008準優勝◯ 判定
◯久保優太(K-1 MAX 2010 -63Japan準優勝)vs 野杁正明(K-1甲子園2009王者● 判定
◯久保優太(K-1 MAX 2010 -63Japan準優勝)vs 卜部功也(K-1甲子園2008準優勝)判定
<スーパーファイト>
◯佐藤嘉洋(日本)vsアルバート・クラウス(オランダ)● 判定
先週土曜日に行われたK-1の感想というか総評です。
超節約バージョンの会場設備、無名の63キロ選手中心のラインナップという非常に制限された素材を使ってどれだけ「K-1っぽく」演出できるのか。という実験的な大会であると同時に、FEGの置かれている現状がどれだけ逼迫しているか……を現実として眼前に突きつけられましたね。
この哀しい会場に耐え、果たしてファンはK-1とともに復興の道筋を歩めるのか。
そういう意味ではファンにとっても試練の大会となりました。
大会を見終わった後、
やはり私自身「もはやこれまで……」と一旦は思いました。
ですが、二日を経てやはりこの大会のこともK-1のこともブログに記していかねばならないと決意を新たにした所存です。
大会の方向性が端的に現れていたのは佐藤嘉洋vsアルバート・クラウス戦。
審判団はまさかの佐藤支持で、多くのファンが「はぁ?」と思いましたよね。
佐藤は何も悪くないのですが、なぜあの試合内容で佐藤なのか。
むしろ押していたのはクラウスであり、クラウス勝利もしくは延長戦ならわかるのですが……。
おそらく審判団の思惑は「判定続きで客がダレている」空気を察知し、
延長戦を望まなかった。
その上この状況で70キロの日本エース・佐藤が負ければ興行、MAX全体がさらに盛り下がってしまう……という点まで考慮したのではないかと疑われても仕方有りません。
そもそもこの二人をぶつけた以上KO決着は想像しにくいのです。
どうせ呼ぶならシャヒッドやザンビディスのようなブルファイターを出すべきでしたね。そうすれば佐藤のテクニックも活きたでしょう。クラウスは上手いので佐藤の持ち味が100%出ないんですよね。
ということで、
70キロの世界大会も都合がつかない中、
クラウスと佐藤という大物同士が削りあう意味がさほど見いだせません。佐藤自身にとっては連敗中での強敵ということで、かなり気合が入っていたようですが、K-1MAXというストーリーの中では「ここで戦うべきなのか??」という組み合わせでした。その結果があのホームディシジョンでは70キロのK-1に希望はなくなってしまいます。
ですが、70キロは本当にいい選手ばかりなんです。ペトロシアンもサワーもクラウスも日菜太もいる、面白い階級なんですよ!
さて、63キロの日本トーナメント。試合内容そのものは面白かったです。
各々のこの大会にかける想いが伝わるいい勝負ばかりでした。
HIROYAvs大和、野杁vs梶原などは63キロの中での勝負論があり、
非常に興味深く、内容のある試合だったと思います。
ただ。
キックボクシングの大会としては面白かったかもしれませんが、
K-1としては非常に微妙な大会になりました。
K-1の代名詞であるKOは1試合もなく、
ポイントを取ったらそのまま勝ち逃げに入る試合もありました。
特に卜部功也vs裕樹では、ダウンを取った後、露骨に判定勝利を狙った卜部には少しがっかりです。
また、選手自体も才賀紀左衛門を除いてキックボクサーとして完成されており、
驚くような攻撃を仕掛けたのは野杁正明のスイッチングローキックくらいでしたね。
Krushで見慣れた景色をわざわざK-1という名前で見せてくれなくてもいいや……という感じはあります。
シャヒッドvsザンビディスのような火が吹くような打ち合いも、
アーツvsシュルトのような魂の入ったアップセットも、
自演乙優勝のような驚くべき結末もありませんでした。
さて、次回予定されている63キロの世界大会ですが……
これがまたワクワクしない。
ヘビー級には「人類最強」、70キロには人間の平均体重から考え出された「人類最激戦区」という「最強」の名を冠するにふさわしい「大義名分」がありました。
しかし、63キロにはそれがない。このままでは「63キロ最強」でしかない世界大会が小さな会場で開かれることになるわけです。
それでも今回の大会よりは興味深いのですがね(笑)。
選手の中にはK-1の大会に出場したことで大いに満足している方もいるかもしれません(特に高齢のファイター)。ですが、優勝した久保や大和、卜部、才賀、野杁あたりはショータイムや東欧系に出場しているような同級ファイターと互角以上に戦って初めてK-1に参加する意義があると思いますので、今後頑張ってほしいと思います。
とにかく世界大会が行われていない63キロは「まだ始まってもいない」んです。それなのに、圧倒的な優勝候補として日本トーナメントに優勝し、号泣した優勝選手のメンタルは心配です。ようやくスタートラインにたどり着いただけなのに。
去年長島☆自演乙☆雄一郎が優勝したときに涙の絶叫をしましたが、あれは全くの圏外、ノーマークの存在だったからこその感情の爆発でした。久保くんは優勝候補筆頭! 立場が違う。
2年前ペトロシアンが優勝した際、嬉しそうな顔はしましたが振る舞いそのものは非常にクールでしたよね。ああいう鉄のメンタリティこそが王者には必要なのだと思います。
ひとまず63キロの序章は幕を降ろしました。選手の実力差ははっきり出たと思います。
久保優太が頭ひとつ抜けており、卜部が次点。野杁、大和、HIROYAがそこに続き、残りはちょっと離れているでしょう。
63キロは久保を中心に進めていくしかありません。現状では「久保くんイコール63キロの未来」と同じです。
また、若いHIROYA、卜部、野杁のK-1甲子園三羽烏。この男達が久保に通用するようになれば、ようやくジャンル全体に光明が見いだせることでしょう。
彼らが戦うことになる相手は、あの山本真弘を61キロ契約で全く寄せ付けなかったセルジオ・ヴィールセンのようなパワーある外国人たちです。果たしてどこまで通用するのか不安と期待が混ざります。
また、今後の予定について谷川氏がなにやら発表していたようですが、
どうせその通りにはならないので、ここではなにも論評しません。
試合前にエントリーした予想については、
初戦のHIROYA大和戦以外は全部的中しました。
HIROYAは実力的に大和を越していましたので、
あの一発のポカがなければなぁ。
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