雌阿寒岳登山に挑戦しました。
午前五時半起床。釧路の友人宅を六時に出発。オンネトー、野中温泉前駐車場に八時到着。
全六名、揃って登山者名簿届け場で集合写真を撮り、頂上を目指して歩き始めます。雌阿寒岳を目指す三つの登頂ルートのうち、最も所要時間の短い野中温泉ルート。天候は曇り、しかし、雲は高く頂上が下からはっきり見える状態です。
序盤戦。森の中。かなり急な登り。普段あまり体を動かしていない仲間もおり、心配しながらの挑戦開始となりました。木の根っこがむき出しになり、それを利用して段差をあがっていきます。
五分後、最も体力的に難があるのではないかと思われた友人が息を切らせて座り込みました。
数分休んだ後、本人が「無理」と判断。無念の下山という運び。彼は根本的に同行したのが間違えだったかもしれない。おつかれさまです。
しばらくその先も急な坂が続きました。二合目、三合目とほとんど景色が変わらない単調な行程が続きます。三合目で長い休みを取ることにし、水を飲んだりしていると、息を切らせていた友人が「ここで勘弁してもらってよろしいでしょうか」。まぁ、革靴履いてきてる時点で、無理じゃないかと思っていたよ。
四人になった一行を、さらに悲劇が遅います。三合目から四合目、急な登りは全く衰えず、元テニス部、体力には結構自信があると豪語していた友人が、今後の長い道のりを危惧してか、「もう駄目です」と。現役引退し、スロットに朝から晩まで行っているようじゃ、体力は落ちますよ。ただ、彼は結局一人で八合目までがんばりました。
さてはて、四合行かずして、半数になった一行。しかし、ここからは比較的緩やかな登りになってきました。気持ちも楽になり、サクサクと7合目くらいまでは進む。この辺からは木がなくなり、ごつごつとした火山特有の巨大な岩、石が道を阻みます。噴煙が吹き上がる「ごしゅー」という音が大きなってくるのです。
気温も気圧も下がってきており、息の切れが激しくなります。しかし、ここまで残った勇者たちはくじけない。強い風も、滑る砂利も、我らが行軍を止めることはできないのです。すべる、登る、バランスを取る、すべる。この繰り返し。
十時半。歓喜の瞬間。三人の犠牲を払いながらも、登頂に成功。絶景を欲しいままにする権利を与えられた残る三名の登山者の一名となることができました!!
頂上から見る巨大な火口(ポンマネチシリ火口)には、エメラルドグリーンの水たまり(超高熱の硫黄?)、錆色をした水たまり(有名な赤沼)。そして、黒い何かの液体がぐつぐつと吹き出す地獄絵図。TVで見る火山そのものなのに、その迫力は間近で見ると全然別物でした。
上空をかすめる風の音と、噴火口の蒸気の音の合奏。決して地上では聴けない音。
こちらはなかなかの名演です。
眼下の景色は、赤茶色の山肌、噴煙の残り香、オンネトーや阿寒湖の美しい湖。見渡す限りどこまでも続く森。360度見回しても、民家はほどんど見えません。これぞ北海道、これぞ道東。求めていた景色がそこに存在しました。
さて、風が強いので、ひとしきり記念撮影などしたあと、早速下山。下りもかなり厳しい行程となり、かなり休みながら降りていきます。足首がひきつって回らなくなり、最後はかなりトボトボ歩きになりましたが、十二時半、登山口に無事到着。
その後、野中温泉別館でゆっくり温泉につかり、釧路に戻りました。ここで三時半。昼ごはんとしてそばをいただき、五時ごろ札幌への帰宅開始。
そこで起こる事件は次の自分の番でまた書きます。