私は今オセアニアで一番強いK-1ファイターは?
と訊かれたら、おそらくピーター・グラハムではないかと答えます。
グラハムのここまでの経緯をまずは述べておきましょう。
まず、彼はオセアニアで行われたK-1の予選Tを2度も制覇しています。
その頃はマーク・ハントのナンバーツーという位置づけでしたが、ジェイソン・サティーらは寄せ付けていませんでした。しかし、残念なことに日本ではさほどインパクトのある試合はしていません。2003年の決勝グランプリでボンヤスキーに1RKO負けを喫したりしましたが、その後も国内ではずっと勝ち続けていたようです。あのスロウィンスキーにも勝っています。
しかし、大変残念なことに、このころK-1とオセアニアの主催者が険悪な関係になっており、日本にくるチャンスを与えられませんでした。
2006年に、FEGがオセアニアの主催者と和解し、ニュージーランドで予選トーナメントが行われることになり、ついにグラハムにチャンスが回ってきました。
1回戦の対戦相手は売り出し中のバド・ハリ。谷川Pも、あの2003年、ボンヤスキーのニーで崩れ落ちた姿が印象的だったのでしょうか。グラハムの実力を過小評価していたとしか思えません。結果はご存知の通り、バド・ハリは顎をローリングサンダーで打ち抜かれ、壮絶なKO負けを喫しました。
しかし、正統派でこつこつローを当てるバド・ハリに蹴られたグラハムの脚は準決勝でさらにスロウィンスキーに痛めつけられ、あえなくここでリタイア。グラハムの挑戦は白紙に戻ります。
2006年年末。
なんと大晦日のダイナマイトでシュルトの相手を務めます。しかし、これは試合数日前のオファーであり、体調は万全ではありませんでした。それでも、グラハムはローリングサンダーで客を沸かせ、ゲストの清原に「グラハム選手のファンになりました」といわせ、シュルト相手に5ラウンド戦い抜きました。この試合は私も賞賛されてしかるべきかと思います。
この選手にチャンスがないというのは、いびつな状況だと考えざるおえませんでしたね。
そして、2007年。
ハワイでなぜかリザーブファイトをやらされ(ヴェネチアン相手に判定勝ち)、今年もチャンスなしかと思われましたが………。
香港大会で復讐に燃えるバド・ハリの対戦相手に抜擢。今回は直前オファーではないため、万全の状況でリマッチができるでしょう。
多分、この試合がグラハム一世一代の舞台なんじゃないかなぁと思うわけです。勝てば開幕戦もあるでしょう。逆にハリにとっても同じ事で、ここで負ければ価値が落ちることは相違ありません。これぞ、K-1。ゼロか100かの危険な戦いです。
バド・ハリVSグラハムは長くKを見てきた私がオススメします。
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