【シリーズ】K-1モンスター路線とは何か ~4~
~モンスター路線の今後~


 「モンスター路線」はテレビ局の生み出したマスに対する「売り方」の手段であるということは常々申し上げている通りなのですが、この手法の問題点はそこに実力が伴わなければ旧来のボクシングやプロレスなどの模倣であると見なされるまでのことです。今回の亀騒動で実力なきビッグマウスがいかに虚しい存在であるか証明されました。
 サップがビッグマウスであって、面白かったのは、彼が勝利を重ねていたころまでなのですよ。セフォーや武蔵などに不覚を取った後に「がははは」といわれても、誰が面白いと思うでしょうか。誰も思いません

 それではこれから先「モンスター路線」の取り扱いはどうなるのでしょうか。

 ~3~で提示した通り、考え方次第では、大巨人セーム・シュルト政権は「モンスター路線」の最後の行き着く先であり、その残滓がチェ・ホンマンであると言えます。しかし、この二人はボブ・サップのようなビッグマウスが売りではありません。ホンマンは自国で注目度が高いですが、日本ではそこまででもなく、シュルトにいたっては話をあまりしないタイプの男です。爬虫類を飼うことが好きな、普段はちょっと変わった温厚な男なのです。
 HERO‘Sではいまだミノワマンや柴田某などプロレス臭い色物が出場していますが、あっちはあっち。こっちはこっち的なすみわけをFEG内で切っているのです。HERO’SはK-1本筋ほど実力勝負ではないので、アッカやロッドマンがいても大した違和感を覚えません。(え? FINALに立川が出るじゃないかって? 開催式前に行われるオープニングファイトですよ? そんなもんなんだっていいんですよ)

 WGPでは、今年登場したジュリアス・ロングのようなでかいだけの選手もいましたが、取り扱いは小さく(というか地上波では全面カット)演出による「モンスター路線」の積極的継続をフジテレビは断念したと思われます。今年のオランダ大会でも、非常に残念な試合をしたサップ人気のお釣りはもうないということがわかったことでしょう。
 現在のWGPに無理してサップを出そうという動きは見られませんし、ようやくにして、FEG、フジテレビ、そしてファンの向くベクトルは一致してきたのではないでしょうか。
 では今後、K-1の流れ、そしてモンスター路線はどうなるのかという疑問
 いや当然、これに答えられる者なんて誰もいないのです。

 これがプロレスであれば、「いやー実はあそこで高田総統が……」と、シナリオライターがリークできるかもしれません。しかし、私がここで言うまでもなく格闘技においては試合結果と内容次第で未来のシナリオが行く通りも分岐するのですから。
サップ登場以降(以前も?)、フジテレビや谷川IPが「こうなったらいいなぁ」と思うことは、ほとんど当てが外れ、それがK-1の魅力であると私は思っています。多額の契約金で獲得し、これから売り出そうと思っていたバダ・ハリがグラハムのローリングサンダーで1年を棒に振るなんてこともありましたよね。あの試合の、谷川IPの呆然とした声。これこそがK-1がK-1である証明であり、スポーツの面白さではないでしょうか。

 今はバダ・ハリや澤屋敷純一のような若手が、アーツやレミーに挑みかかる瞬間です。ここで若き選手が勝つのか、それとも返り討ちに遭うのか。もしくは、別の何かが起きるのか。シュルトが政権を維持するのか。ホンマンが躍進するのか。それによって、来年のK-1をどうするか。考えるのがフジテレビとFEGであり、現在規定路線など何もないのですよ。
 ホンマンが勝てば再びモンスター路線的なものが復活するかもしれません。バダ・ハリが勝てば、彼が望む昔のようなK-1が帰ってくるのかもしれません。それは誰にもわからないことです。主催者にも、選手にも、誰にもです。オーディエンスは、今回のFINALの試合内容と結果が、未来のK-1を作ることを理解しなくてはなりません。
 それがワンデイトーナメントの「力」です。近年では、格闘雑誌や普通のブロガーが平気で「ワンデイトーナメントの見直し」論を述べる時代ですが、ワンマッチ主体の興行は基本主催者の意向が強く出すぎるのです。主催者の手が届かないような奇跡や革命が興るのは、K-1においてはトーナメントがあればこそだということはきちんと認知されなくてはなりません。
 すごく単純でわかりやすいたとえをすれば、ドラゴンボールの天下一武道会がワンマッチで3回に分けられたら、面白くなるのか? というと、そんなことはありえないでしょう(笑)。頂点へ上り詰めるカタルシスが全く感じられないではないですか。
 
 と、まあ「モンスター路線の今後」については「これから決まる」もしくは、「それを決めるために選手は戦っているんだよ」という結論です。モンスター路線にしろ、旧来のストイック路線にしろ、完全になくなったわけじゃないんですよ。
 これからもしかしたらサップクラスのモンスターが登場するかも知れないし、若き日のアーツのような圧倒的な選手が登場するかも知れないじゃないですか?

~おわりに~

 さて、以上で今回のシリーズはおしまいです。
 最後は「格闘技とは何ぞや?」という話になってしまったのですが、言いたいことはなんとなく咀嚼してくださると幸いです。「もう長くて読めない」という人は、明日からのかかとおとしをチェックしていただけますか。

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by the_kakato_otoshi | 2007-11-15 14:24 | K-1

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