「90年代のK-1ファンはいらねえ!」
前々前回の記事で、2002年に発売されたK-1・10年史のDVDをオークションで落としたという写真を載せました。

これを、2巻まで見ました。

なぜ、2巻までか。

2巻は、96年まで収まっています。
この96年までを見たのは、実は相当久しぶりでした。

当時はネットなんて普及してませんから、新聞の深夜枠を365日チェックし、K-1とF1の文字があれば録画セットするという日々でした。
そのため、見逃した大会・レースは、二度と見ることができません。
現在とは事情が全く異なる状況でした。
見始めてからは、K-1は全大会、F1は全レース、録画して保存していました。

しかし、一回録画したK-1は、その後よくて1~2回見る程度、F1は見返すことがありませんでしたけどね。なぜなら、物凄い集中力で見るので、大体試合展開とかは全部覚えてしまうんですよね。

だから、過去の大会ほど、回数を見ていません。知らず知らずのうちに見逃してしまった(旅行などで)大会もありますし。

そんな90年代を、一気に振り返るために、DVDを大人買いしちゃったんですね。

おっと、話がずれた。。。

で、なぜ、96年までしか見ていないのか。

96年は、あのアンディ・フグが優勝したり、新鋭マイク・ベルナルドと帝王ピーター・アーツがその最強の座を賭けて年4回も戦ったり、初めてK-1が地上波で放送されたり、そういう転機の一年だったんですよね。

この年まで見終えて、お腹いっぱいになっちゃったんですよ
もう、感無量というか、至福感というか。

「本当の戦いはこれだ!」

って感じですね。あまりに満足しすぎて、ちょっと第3巻は後にしとこう。。。。て。

で、物凄く「いまさら」なんですが、ピンと来たんですよ。

「これか」

と。

日本のK-1ファン層が微妙な感じになっている原因はと。

誤解を恐れず言えば、K-1ファンって、実は90年代に満足しちゃったんじゃないかなと

DVDをただ流していても、どの試合も物凄くアグレッシブ。というか、ガムシャラなんですね。頭で考えるよりも先に、誰もが手を出している。相手をKOして、自分がのし上がる。ただ、それだけの純化された世界なんですよね。ガードなんて関係ねえ。出てきた相手をフルボッコ。背中を見せたら、後頭部にハイキックがすかさず飛んでくる世界。いわば2000年代中盤の競技化されようとしているK-1には出てこない雰囲気なんですよ。

それが、年に5回くらいある興行のすべての大会に共通しているんだから、これは凄い。面白いですよ。
毎回出てくる「未知の強豪」。10人に1人くらい当たりがあるんです(笑)。それがベルナルドだったり、バンナだったり、セフォーだったり、ミルコだったりするんですけどね。

毎大会「どんな奴が出てくるんだろう」とか想像しながら見ることができたのを覚えてますよ。95年、ベルナルドがフグとスタン・ザ・マンをKOして一躍ヒーローになったと思ったら、同じ新人のバンナにローで蹴り倒されたり……。驚きの連続ですよね。

そんな中でも、当初は空手の敵として登場していたホーストとアーツ。二人のオランダ人の放つ圧倒的な存在感は凄い。この二人が強すぎて、K-1は二人に追いつこうとレベルを上げていったといっても過言ではないですね。10年以上前のことを久々に見ると、逆に新鮮に驚けました。
「ホーストって、こんなに速かったっけ」とか「アーツって、こんなにガードしてなかったっけ」とかね。

とにかく、あまりにも面白すぎて、凄すぎて、K-1ファンって90年代で満足しちゃったんじゃないの? って、思ったわけですね。
2000年に入っての、ハントもサップも凄いけど、当初の飢餓感っていうか、リアルファイトに対する餓えを満たしてくれたK-1ではなくなっていたかも知れません。「ファイトへの乾き、飢えを満たしてくれるイベント」から、世紀末あたりにだいたい世界の強豪が出揃った後は、「世界最強を提供してくれるシステムを持つイベント」に成長するにあたって、結果が重視されてから、あのガムシャラさとか、無茶苦茶さとか、そういう要素が徐々に欠落していった。
そして、90年代にあの無茶苦茶な時代でもまれてきた、ホースト、アーツ、バンナというK-1ファイターたちは、その苦しい境遇におかれていたからこそ、恐ろしいほど経験をつみ、ちょっとやそっと才能が豊富で強いから、でかいからとK-1に来た選手ではとても太刀打ちできるものではなくなっていたんですね。

たまにその壁を越える選手もいますよ。ハント、サップ、おまけにシュルトあたりですね。

しかし、彼らには特にK-1でやりつづける理由もなかったんです。
K-1によって、すでにプロの格闘家が認知されていた世界では、彼らには活躍の舞台はいろいろあった。総合とか、エンターテイメントの世界ですね。しかし、90年代初頭から活躍していた選手たちには、はじめK-1しかなかった。この違いが今現存している選手かどうかってことになってくると思います。

いまや、世界各地の格闘プロモーターはそのマネーでビッグマッチを連発しています。
日本でも、年に10回ほどはゴールデンタイムで格闘技中継を見ることができます。
飢餓感はそこにありません
(そういう意味では、イベント自体が消滅してしまったPRIDE信者は、飢餓感だけなら誰より強いかもしれません。しかし、彼らの場合他団体などへの誹謗中傷やスポンサー降ろしなどのマイナス要素の活動が目立ちすぎる)

「今日のK-1面白かったなぁ」

と、自然につぶやく私がいます。……それじゃ、駄目じゃん。

「やべー。今日の試合やべー。明日誰と話そう……いや、電話かな……」

っていう感想が出ないといかんです。じゃあ、なんでそうならないの? 試合がタルいのか? いや、そうじゃない。それは試合内容が原因じゃないんですよ。要するに、「空腹は最大の調味料」という言葉がない。試合に対する「飢餓感」がないから、面白かったなぁで満足してしまう。
去年のMAX決勝戦やヘビー級の横浜大会は最高水準で、これ以上は出せない凄い大会だったと思いますよ。しかし、お客さん、視聴者、そして自分が、試合前に最高に腹の減った状態だったのか? というと、絶対そうではない。毎月のように格闘技、K-1はテレビで見ることができるんです。だから、激しく腹が減ったときに見ていたかつてのK-1のほうがいい思い出になっちゃってるんですよ。K-1ファンは。
いわば、脳内の分泌物質の影響ですね。人間、コレには逆らえないように出来ている


この文、長い? もう少し付き合ってください。


でね、私が言いたいことは何かってことなんですが、
ちょっとベルナルド並の豪腕で結論にもっていきますと
「もう、90年代のK-1ファンはいらね!」ってことなんです。

ホーストがどうした、フグがなんですか、シカティックはどこだ?
いや、もう彼らはいないんですよ。

90年代の、ロクに情報もなかった時代に雑誌や新聞にアンテナを張り巡らせていた、あの時代の人間はいらないんです。

あなたたちはもう、石井館長によって満足させられちゃってるんだから。。。。。
求めてはいけないですよ。そのときと同じ感情を。

そういう感情を持てるとすれば、フグの試合を見たことすらないような、
2000年代以降にK-1を見るようになったファンだけなんです。彼らは、真っ白だから。

だから、きっとチェ・ホンマンでK-1をはじめてみて、「なんじゃこりゃすげー!」って盛り上がっているアジアの若者の熱狂。それが10年前のK-1ファンの姿で、それを否定しちゃいけないわけです。
そういう人たちのためにK-1を作っていく。これがFEGの方針になりつつある。それを否定する材料が、残念ながら90年代のファンにはない。黙ってろ! ってね。

90年代のK-1を生で見たかったと、どっかのブログで誰かがおっしゃっていましたが、
いや、見てないほうがいいでしょう。ラッキーじゃないですか。これからもっと面白いものをリアルタイムで見れるかもしれない幸せがあるじゃないですか。そのとき、「いやぁ、アーツのほうが強かったよ」なんて、知ったような顔をするジジイでいるよりもよっぽどいい。

だから、古き良きK-1にしがみつき「石井カムバック、谷川ファック」とつぶやく会場にも行かないようなオールドファンに早く引導を渡してほしい。
そのためにはバンナやアーツが活躍するK-1は2007年で終わってもいい。
バダ・ハリでもサメドフでもホンマンでもいいんです。HIROYAのワールドユースでもいい。自然交代ではなく、試合によって、早く90年代を終わらせてほしい

そして、新しい何かを始めましょう。

ていうか、始めてください

と、かかとおとし的にはそう思うんですね。

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by the_kakato_otoshi | 2008-02-26 01:38 | K-1

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