「世も末だ」
とか
「今の世の中はどうなっちゃんているんでしょうね」
とか言う人がいるが、
本当に世の中が終わったためしはないし、
過去にだってわけわからん事件はいくらでもあったでしょ。
さて、今朝未明、娘が38.8度の高熱を出し、
なにやら全身が熱い。
こんなことは、娘の人生で始めてのことだった。
うわー。
大変だぁ。
娘になにかあったら。
「世も末だ!」
と、真剣に思った。
深夜4時くらいだった。
夜間救急病院に妻とともに娘を抱えて出動。
心配性が服を着て歩いている私は、
ほぼ完全に妻を差し置いて
病院で熱心にお熱をはかり、
先生の話を聞き、
診察のときも待合室でもずーーーっと膝の上に抱え、
その体温の推移を自らの身体で見守っていた。
そんな父親の心配を知ってか知らずか、
高熱を出しているはずの娘はドクターや看護師に笑顔を振りまき、
元気な様子で振舞っていた。
心配させまいとする、娘のけなげな気遣い……なんてことはないだろう。
「しかしもう少し、病人らしくしてくれないと、夜間救急に来た甲斐がないんだが」
思わず漏らす。
娘にそんな空気を読むことはできないようだった。
「熱は直そうとする力ですから、過敏になりすぎなくてもよいんですよ。本人が元気なら」
しっかり、ドクターに釘を指された。やはりもう少しグッタリしててくれても、バチは当たらなかったような気がする。
だが、空気を読んで、病人としての適切な振る舞いを生後半年の彼女に求めるのは、いかにも酷というものだろう。
そして。あれだけ心配をさせたにも関わらず、朝までにはすっかり熱が引いてしまった。
今朝、妻が「母親の尊厳が……」とブツブツ漏らしていた。
話を聞くと、
やはりああいう病気の場面では母が一番に表舞台に立つのがスタンダードらしいのだ。
娘を抱えて心配する父と、その隣に立つ母。
本来その構図は逆であるはずだと、妻は主張する。
根に持っているようだ。
空気を読めていなかったのは、自分だった。
というわけですこぶる眠い→人気blogランキングへ