オセアニア系のRogueMagazineによれば、
ヨーセングライ・フェアテックスがK-1で戦うことを熱望しているとのこと。
ヨーセングライ・フェアテックスは、欧州で主に活躍するタイ人ムエタイ選手で、K-1に出場しても即優勝候補と言われる選手です。
「ブアカーオはよくやっているし、尊敬しているが、今度は俺の番だ。チャンスをくれ!」
という趣旨のことを主張しています。
それがただRogueMagazineで言っているだけなのか、それとも具体的に行動に移しているのか……つまり、FEGなどに直接アポを取って売り込んでいるか、ということはよくわかりません。
RogueMagazine自体はFEG&K-1を批判することが仕事なので、
「マーケティングの理由でヨードセングライを出さないのだ」と声高ですが。
一方、谷川EPも「人気があるので頑張って欲しい」とブアカーオにエールを送りつつも、
「タイ人を変えなくてはならないかも」と示唆しています。
この発言の中で重要なのは、
常時参戦する「タイ人」は1人しか呼ばないという方針は変らないということです。
つまり、ヨードセングライ・フェアテックスが参戦するためには、ブアカーオと入れ替えなくてはならないということなのです。
私はタイ人を一人しか呼ばないという方針自体をそれほど疑問には思っていません。事実、谷川EPはK-1ヘビー級がオランダ人ばかりという現状に対しても、「これ以上オランダ人は……」という発言もしており、事実オランダで開かれたヨーロッパGPにも、1人しかオランダ人は参戦しませんでした。(しかし、優勝したのがそのオランダ人のジマーマンというのは皮肉な結果です)
しかも、谷川EPはベスト8に日本人が3人進出したことに対しても「日本人3人は多すぎる」と、バランスを取りたい意向を鮮明にしています。つまり、FEGがバランスをとりたいのはタイ人だけではないということです。
今年はGORIを無理やりアメリカ代表にしてしまったこともあります。実力的に世界のベスト16かと言われると、大いに疑問符が付く選出でした。
これも谷川EPによれば、「アメリカ人がみんな総合をやっていて、いないので」と発言していますが、すなわち「国籍間のバランス」を取りたい意向が見えます。
「どうしてそこまで拘るの?」と思う日本人キックファンは多いでしょう。事実、「DREAMでは日本人が過半数。その他が外国人という構図でグランプリをやっているではありませんか」と考えるでしょう。
しかし、DREAMとK-1の大きな違いは主に日本人のファンだけを対象にしているイベントではないということなのです。
K-1は、多くの国と地域で放送されており、その数はDREAMの比ではありません。
より多くの関心をひきつけるためには、多くの国の選手を出場させる必要があるのです。出身国が偏れば、それだけ関心を持つ地域が減ってしまうのです。特にベスト16は文字通り16人しかいないのですから、理想は16カ国から1人ずつというのがよいでしょう。しかし、選手層や主催テレビ局の意向などを考えて、日本の選手が少々増えたりするのは仕方ないというものです。
K-1が国籍の偏りを均等に散らしたいという意向を持ってマッチメイクに当たっていることは、私は以上のように理解しています。
ヨードセングライにハナシを戻しますと、以上の事情を考慮してK-1がブアカーオを出場させているからには彼の出番はなかなかやってこないと言えるでしょう。
しかしながら、考えてもみてください。
私はブアカーオは「王者」であり、数戦負けたからといってそう簡単に手放せるような存在ではないと思います。
さらにいえば、いまやブアカーオは立派な「K-1選手」であり、タイ人・ムエタイ枠の選手だと考えているファンはほとんどいないでしょう。
つまり、いまや「タイ人・ムエタイ枠」は空席ではないかと私は考えているのです。戦い方もすでにムエタイの匂いがしなくなってきたブアカーオをいつまでもその枠と捕らえるのは、狭い解釈です。新たなムエタイ枠に、ヨーセングライを入れて、そしてどうしてもタイ人を1人にしたいなら、2009年のFINAL16でブアカーオとヨーセングライの対戦を組む。
タイ人代表決定戦にもなり、さらにK-1王者とムエタイの王者がぶつかる夢の対決になるでしょう。ベストな選択ではないかと考えます。
いずれにしても、ヨーセングライがこれ以上白星を重ね、例えば他の大会などでサワーやクラウスの首をとるようなことがあれば、一気に参戦が現実味を帯びてきます。そのとき、かならずブアカーオとの直接対決があるのではないか。
そのように確信しています。
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