最初で最後の?果たし状……ピーター・アーツ【FINAL16 FIGHTERS】
FINAL16出場者ファイル5  「最初で最後の?果たし状

ピーター・アーツ

出身国・オランダ 身長・192センチ 体重・108キロ
2005年以降の成績・17戦14勝。8KO(TKO含む)。
所属・チームアーツ
タイトル・K-1WGP1994,1995,1998優勝
ニックネーム・20世紀最強の暴君/ランバージャック

<突然の果たし状>

2008年4月26日、オランダのアムステルダムアリーナには2万人の観衆がつめかけ、K-1WGP欧州GPが行われました。
最も注目された、レミー・ボンヤスキーVSメルヴィン・マヌーフは両者の浅からぬ因縁と激しい展開の好勝負で大変会場が盛り上がりました。
その試合後、本来マヌーフと対戦する予定だったアーツはマイクを握り、こう言い放ちました。

「9月の開幕戦でシュルトと戦いたい」

会場はざわめきと歓声が入り混じり、次第に歓声がその対決に勝利しました。
そしてその宣言は単なるパフォーマンスではなく谷川EPに直接伝えられました。
ちょっと待ってくれよ」とシュルトは言いましたが、結果的に王者は対戦を受諾
誰との対戦も断ったことがないというアーツが、初めて自らの相手を求めた歴史的な瞬間だったのです。
同時に、前年の決勝戦のカードが開幕戦に組まれるというK-1始まって以来前例のない事態になりました。

<異例の挑戦状>

1993年以降、K-1とともに人生を歩んできたピーター・アーツはいかにしてその心境に辿り着いたのか、私は興味がありました。
2005年のインタビューで、アーツはこう言っています。
「ホンマンとか、サップとか、技術的なものがない選手が試合に出れてしまう。K-1はすべてが変ったが、変らないのは私がいることだ
しかし、そんなときも「ホンマンとやらせろ」とも「サップとやらせろ」とも言わなかったのです。
セーム・シュルトの存在は、ホンマンやサップ以上に潰さなくてはならない。アーツはそのように考えているのかもしれません。
シュルトが優勝し続けることで、人々の興味が薄れていることをアーツは敏感に感じ取りました。つまり、ホンマンやサップにはよきにつけ、悪しきにつけ、人々の興味をひきつけるモノがあります。しかし、それがないシュルトが優勝し続けることはK-1のためではない
自分が戦い続けたフィールドに、君臨し続けることが気に食わない。
それが、あえて自分のポリシーを曲げてまで挑戦状をたたきつけたあの発言に結びついているのではないでしょうか。

計算もあるでしょう。グランプリの決勝では頑丈なシュルトの前に二度敗れ去っています。
しかし、オーストラリアで戦ったワンマッチでアーツはシュルトを判定の末に下しているのです。ワンマッチなら勝てるという自信もここから来ているに違いありません。
現役人生最終章の大仕事。それは絶対王者の成敗だと決めたのでしょう。
もはや3試合を一日で戦えるほど、身体は持たない。
だからこそ、せめてワンマッチでシュルトを倒し、再び現役最強を証明するのです。
なにしろ、ここ数年間、アクシデントや超緊急出場以外で負けているのはシュルトだけなのですから・・・・。

ところで、シュルトに挑戦するのはアーツが始めてではありません。ホーストとバンナもシュルトに挑戦宣言をしています。いずれも敗れました。アーツは3人目ではないでしょうか。
三人とも、K-1創世記からのファイターたちです。
レジェンドの気概とは凄いものだと改めて思います。
リングに対する想いが違います。

本来ならば積極的に挑戦を公言してもいいバダ・ハリ、レミー・ボンヤスキーはシュルトに関しては「まあ好きにしてくれ」という状態なのですから。

<危なかったノルキヤ戦>

仮想シュルトを見越して、同じ程度の身長を誇るノルキヤ戦を調整試合に設定したアーツは、格下を相手に何度かパンチをもらい、足元がふらつく危険な試合を展開しました。
なんとか3ラウンドかかってKOしたものの、シュルト戦に不安を残しました。
ひねった膝の状態も芳しくないのか、パンチ主体の試合運び。
いつものうなるようなローキックがあれば、ノルキヤ程度は1分で葬り去ったことでしょう
9月にむけて、アーツの言葉とは裏腹にファンには「大丈夫かよ」という雰囲気が漂いました。しかし、最後の1分で見せた「最後までKOに拘っていく姿勢」は、さすがアーツだと感じます。

同じ大会で、シュルトはバンナを寄せ付けずに判定で勝利しました。
最後まで相手のパンチを警戒して、無理に倒しにいかなかった絶対王者が前世紀の王者と比べて対照的でした。

<すべては膝の調子>

あの捻った膝は9月までにどこまで回復するのでしょうか。
そこが勝負のポイントになるでしょう。すでに激闘に激闘を重ねたアーツの身体は古傷だらけです。そのうえ、アーツの現在の生命線であるローキックが封印されれば、もはや勝ち目はありません。
非常に勝ち目の薄い戦いだと、私は客観的に判断せざるおえません。
仮にアーツはここで負ければ決勝戦連続出場記録も途絶えてしまいます。
すべては膝の調子にかかっていると思います。
なんとか9月に間に合うことを切に願うのみです。そして、さらに願わくば……多くの日本人が彼の現役最終章の挑戦を見て欲しいと思っています。


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「FINAL16 FIGHTERS」シリーズリンク

第1回鋼鉄の魔城……セーム・シュルト【FINAL16 FIGHTERS】
第2回不遇の王様……レミー・ボンヤスキー【FINAL16 FIGHTERS】

以下続々

バダ・ハリ篇 
グラウベ
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by the_kakato_otoshi | 2008-08-19 13:35 | K-1

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