ハンターRU……ルスラン・カラエフ【FINAL16 FIGHTERS】
FINAL16出場者ファイル8  「ハンターRU

ルスラン・カラエフ

出身国・ロシア 身長・188センチ 体重・95キロ
2005年以降の成績・16戦10勝。5KO(TKO含む・K-1WGPのみの成績)。
所属・フリー(未確認ながらゴールデングローリーに加入したとの噂もある)
タイトル・K-1WGPタイペイ2008優勝
ニックネーム・ロシアの速射砲

<ハンターRU>

私が最も期待しているK-1若手ファイターは、いまでもこのルスラン・カラエフであることはまず先に述べておかねばなりません。
2008年8月、ロシア軍が「平和の祭典」オリンピックが開催中にも関わらず武力をもって制圧したグルジアという国のすぐ真北。隣接した場所にあるのが、オセット人が住む「北オセチア共和国」です。
ルスラン・カラエフはこの北オセチアで生まれ、そしてキックボクサーとしてその素質を開花させていくことになります。
カラエフは10代前半のころから、喧嘩に明け暮れました。「名誉」そして「誇り」をなによりも重んずる東欧の小国では、自分が軽んじられることをなによりも嫌います。それゆえに、喧嘩をしなくてはならなかったとカラエフは述べますが、そのせいで両親よりキックボクシングジムに入門することを勧められました。
アマチュアキックボクサー時代、カラエフは169戦160勝というとんでもないレコードを残しております。Wikipediaによれば、当時のニックネームが「ハンターRU」というものでした。私はフジテレビがつけた「ロシアの速射砲」よりも断然カッコイイと思います。
さて、どういうわけかポール牧の仲介でプロデビューとなった2005年。レイ・セフォー戦では開始数秒でフックの餌食になりますが、後の話では、そのわずかな試合時間だけでも「あのロシア人は強い」とスタッフおよび関係者が感じたそうです。

カラエフは返す刀でラスベガス世界最終予選にエントリー。関係者の感じたとおり、これまでヘビー級では全くお目にかかったことがないスピードと、躊躇なく敵に飛び込む戦闘本能でケマイヨ、マクスタイ、ライティの3名を下して優勝してしまいました。アメリカのオーディエンスですら、ロシア人であるカラエフに大歓声を送ったことは記憶に新しく、「これは凄い選手が現れたものだ」と、誰もが感じたのです。
新星のロシア人はこう語りました。
リングの上で長いこと見合ってるだけで何も仕掛けない人たちもいますが、私はそういう試合が嫌いなんです

<ライバルはヘビー級王者>

ルスラン・カラエフを語る上で欠かせないのは、同年代のライバルであるバダ・ハリの存在でしょう。カラエフと時を同じくしてK-1に参戦したオランダキック界の風雲児との対戦は、2006年の開幕戦で実現しました。
選手の高年齢化が悩みの種のひとつであるK-1ヘビー級は、開幕戦で若手同士をぶつけて確実にどちらかを決勝戦に残そうとしたのです。
しかし、これが遺恨になりました。カラエフはストレートでダウンを奪った後、勢い余って蹴りを叩き込んでしまったのです。結果はカラエフの勝利になりましたが、ハリは抗議。しかし、裁定は覆ることがありませんでした。
そのため、2007年の横浜大会において、早速二人のリベンジマッチが組まれたことは不思議ではありません。

そして、ここで詳しく語るのは野暮なので遠慮しておきますが、このカラエフVSバダ・ハリ戦はまさしくK-1の歴史に残る名勝負になったのです。
見てない方は、いますぐ見るべきです。
競技は違いますが、内藤や亀田兄弟のフェザークラスのスピードをはるかに上回る攻防が繰り広げられました。ヘビー級に辛口である魔裟斗が「MAXより速い」と最大級の賛辞を送りました。
試合はカラエフが壮絶にKO負けで散りましたが、勝者バダ・ハリもまたカラエフを称えました。雑誌のインタビューでは、カラエフが不調であった時期にも関わらず「俺のライバルはカラエフ」と発言しています。
ハリはK-1を面白くしたいと考えており、カラエフはまさしく「面白い試合をする」選手としてこれからも戦いたいと思っているのでしょう。

K-1新時代の節目として記憶される戦い。そう私は考えております。
いずれまた二人は戦うことになるでしょう。それはグランプリの決勝戦であってほしいと夢想します。
こんな極上のマッチメイクは、ぜひとも最高のシチュエーションで再戦してほしいのです。

<モスクワ移住から復活へ>

2007年、メルヴィン・マヌーフに敗れてから、カラエフは行方不明になりました。実際は北オセチアに帰って母の病気を見ていたらしいのです。らしい、、、、というのは、実はいろいろな情報があり、その真偽はわからないからです。2007年の開幕戦はジェロム・レ・バンナ戦が決まっていながら、ギリギリになって欠場します。公式発表では交通事故ということになっていましたが、真相は不明です。

北オセチアのような小国では、十分な医療機関もなく、ノブ・ハヤシ戦を母の病気で欠場すると、カラエフは母とロシアの首都モスクワに移住。新しい練習環境も作り、ようやくにして復帰となりました。そしてK-1台湾予選に出場し、以前よりもビルドアップされた肉体を披露します。
高速の「ハンターRU」がそこで復活しました。初戦の富平戦では試合勘が戻らずKOするまでに時間がかかりましたが、準決勝キム・ヨンヒョン戦では15秒でキムの鼻をへし折り、決勝では実力者の空手家アレクサンダー・ピチュクノフをわずか1R。自慢の速射砲でノックアウト

ハリッド・“ディ・ファウスト”に勝ったばかりで勢いのあったピチュクノフが、まさか何もできずにリングを去ることになるとは、誰もが予想しない結果でした。
休養前の印象と、長いブランクで忘れかけていた単純な真実……「ルスラン・カラエフは強い」という真実が、再びK-1ファンの前に示された瞬間だったのです。

<開幕戦の相手は誰だ>

彼の強いときの戦いぶりは、華麗にして美しく、立ち技格闘技を一個の芸術へと引き上げるものです。これこそ、まさにK-1の戦いそのものであり、MMAと視覚的に最も明確な違いがあるファイターなのです。
ヘビー級離れしたスピードと、シャープなルックスでファンも多いルスラン・カラエフ。彼が戦線に復帰するということであれば、我々K-1を見続ける者にとっては僥倖です。もちろん、主催者にとっても同様です。さて、開幕戦の相手は誰になるでしょうか。
サキ、ジマーマンらゴールデングローリー退治に乗り出すか、それともお流れになったバンナ戦か、はたまた、セフォー、武蔵らベテランへのリベンジ戦か。誰と戦っても面白い「名勝負製造機」ルスラン・カラエフへの期待は高まるばかりです。



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「FINAL16 FIGHTERS」シリーズリンク

第1回鋼鉄の魔城……セーム・シュルト【FINAL16 FIGHTERS】
第2回不遇の王様……レミー・ボンヤスキー【FINAL16 FIGHTERS】

以下続々

バダ・ハリ篇 
グラウベ
アーツ
ジマーマン
サキ
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by the_kakato_otoshi | 2008-08-26 18:02 | K-1

「K-1」についての情報・コラム。ツイッターはEbi_Knight。ご連絡はkorgradiasアットマークmail.goo.ne.jp
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