逆転の秋……武蔵 【FINAL16 FIGHTERS】
FINAL16出場者ファイル10  「逆転の秋

武蔵

出身国・日本 身長・185センチ 体重・102キロ
2005年以降の成績・18戦11勝。5KO(TKO含む・K-1WGPのみの成績)。
所属・正道会館
タイトル・K-1WGP2003,2004準優勝
ニックネーム・日本最強の男

<つきまとうジャッジメントの問題>

K-1には数多くのファイターが存在しますが、武蔵ほど真の実力のわからない男はいません。
彼のキャリアに燦然と輝くのは、K-1JAPANGPを4度制覇したことではなく、K-1WGPにおいて2度準優勝(優勝はいずれもボンヤスキー)していることでしょう。ただ、この準優勝は常にジャッジの問題と共に語られます。この時期を称して英語版ウィキペディアでは「暗黒時代」といわれていますが、それは単に「巨人・色物」が目立ったからだけではなく、同時に武蔵などをめぐるジャッジメントの問題を挙げるファンも多いことは事実です。
K-1の母体である正道会館出身者によってK-1の審判部は構成されているらしく、母体出身の選手に甘い判定が多いと、武蔵の試合の後には必ずと言っていいほど話題になりました。
顕著だったのは、2004年のグランプリであり、セフォーVS武蔵、レミーVSホースト戦の判定結果は批判にさらされました。ただ、僅差ではあったものの「世界一公平さを求める」K-1ファンとの意見の食い違いが露になりました。2004年はまた、MaxにおいてもブアカーオVS魔裟斗戦の判定が誤審であるとK-1自らが認めるなど、ジャッジメント問題が表面化した年でした。
ジャッジメントが公平でないと人々に思われることは、視聴者や観客がジャッジの不公平感を感じながら観戦するということになり、試合そのもの、優劣を決定するスポーツとして観戦することを阻害します。
武蔵はそのジャッジ問題の中心人物と言ってもよく、手数も少なくダメージも与えていないのに、何故勝つのかとの批判が渦巻いていたことを、武蔵自身はどう感じていたのでしょうか。

<vs佐竹雅昭>

すでにK-1を長年見ている方には説明不要だと思いますが、武蔵が「日本のエース」になる前にエースだった男がいます。1999年グランプリ開幕戦で「日本代表決定戦」武蔵vs佐竹がマッチメイクされました。このとき、終始アグレッシブに攻めていた佐竹ではなく、武蔵が判定で勝利を得ることになります。佐竹は激怒して、これをきっかけにK-1を離脱。武蔵が代わってエースになったのですが、エースになる過程からすでにジャッジメントの問題はあったのです。

<理想と現実の狭間>

武蔵は、K-1における「理想と現実の不一致」を一人で体現している興味深い存在です。理想論としてのK-1ヘビー級、「神の階級」における世界最強決定戦。絶え間なく戦況が変わり、一撃で相手を倒す猛者たちの競演。そういった、いわばK-1が「売り」にしたい部分を武蔵は持ちえていません。リスクを犯さず、防御を優先に考えた「武蔵流」は、元来ファンの持つK-1らしさとは乖離しています。
しかし、K-1が武蔵を表に立てて常に「顔」として扱ってきたのは、やはり格闘技にもともと興味がない普通の日本人に対して「日本人も戦っている」ことをアピールしなくてはならなかったからです。
そして、武蔵しかある程度「対世界」で戦える選手がいませんでした。
見知らぬ外国人ばかりが戦っている舞台ではなく、日本人も頑張っていることを見せなくてはならないという事情を念頭において欲しいのです。これは、非常に重要です。K-1が対日本人向けのコンテンツであった(2008年現在はそうでもない)以上、日本人ヘビー級ファイターの存在は不可欠なのです。

・・・・・・私は決して武蔵選手本人を批判しているわけではありません。
武蔵が判定まで粘り、正道会館出身のジャッジから勝ちを受け取っていると思われても、仕方のない現実的な事情があったということを、ここでは言いたいのです。
K-1のジャッジは他のプロ格闘技興行に比べれば、はるかにまともな水準であると私は思いますが、200年代前半の武蔵と魔裟斗に対するものには相当疑問があると思っていることだけは、一ファンとして書かせてもらいたいのです。

(以上のことを書くと、またトンチンカンなことを言いに来る輩が激増するのでイヤなんですが……)

<亀田vsランダエダ以降>

いわゆる2006年の「亀田vsランダエダ」ショック。亀田が明らかに負けていたにも関わらず、ジャッジメントが亀田を支持したことで世間の怒りが沸騰しました。
ボクシングと関係はないとはいえ、K-1審判部はこれに危機感を感じ、すばやく反応。いわゆる「ホームディシジョン」、「武蔵ジャッジ」を封印しました。結果として、これまでであれば「僅差なら武蔵」という不文律が崩壊し、開幕戦でハリッド・“ディ・ファウスト”に僅差の判定での敗戦。
それ以降、武蔵に有利と思われるジャッジングは激減しました。武蔵が調子を落としていった時期と重なるのが皮肉です。

今年のJAPANGP1回戦。前田慶次郎戦において武蔵は、打ち合わずにフットワークを生かしヒットアンドアウェイで戦う相手に大苦戦し、判定で敗れました。自らの作戦を相手に使われてしまったことになります。そして、今度はかつての武蔵と同様に前田に対して批判が浴びせられました。
これに勝る皮肉はありません。時代はめぐりました

<再び日本代表として>

2007年、武蔵は藤本祐介に敗れて、日本最強の座を明け渡しました。澤屋敷純一という若手も登場し、武蔵時代は終焉を迎えたかに思えました。
ところが、空けて2008年。世代交代マッチで澤屋敷をKOで下すと、ライバル藤本が骨折。日本人で唯一、開幕戦出場権を持つ澤屋敷が不調のなか、再び世界と戦ってきた経験とファン投票での人気を買われて武蔵に白羽の矢が立ちました。

対戦相手は、対日本人4連勝中のエヴェルトン・テイシェイラ。未だK-1での戦い方を模索している、極真の王者です。もう一人の日本代表・澤屋敷にぶつけられた相手、ジェロム・レ・バンナよりは遥かに「勝ちやすい」と思われる相手でしょう。
しかし、かつてのようなホームディシジョンは期待できません。前述の「亀田ランダエダショック」以降、K-1のジャッジがほぼフェアになり、完全に正常化している上に、テイシェイラは主催側が今一番売り出したい選手の一人だからです。。。。
つまり、今まで武蔵を取り巻いていた構図とは立場が逆転してしまっているということです。

経験と意地ならK-1屈指の武蔵が、極真王者相手にどんな戦いを見せてくれるのか。
K-1ファンのみならず、日本中の格闘ファンがそれを確認するためにテレビを見ることでしょう。

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by the_kakato_otoshi | 2008-09-16 11:46 | K-1

「K-1」についての情報・コラム。ツイッターはEbi_Knight。ご連絡はkorgradiasアットマークmail.goo.ne.jp
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