朝、テレビをつけるとテレ朝系「スパモニ」で、貴乃花親方が相撲協会の理事に当選したという話題を30分以上も取り扱っていました。
他の局でもそうだったんでしょうか。ネット上で見る限り、かなりの注目度がある様子。
貴乃花には何一つ興味がない私ですが、
この注目ぶりには興味が湧きました。
ということで、ちょろちょろと調べてみると、
なんだ、なんのことはない。文部科学省の所管法人(日本相撲協会)の理事の一人を決めるだけの投票じゃないか。
しかも、単に無記名投票で3人造反者が出ただけの話じゃないか。
つ・ま・ら・な・い。
と、簡単に切り捨てることは可能なんですが、
この話題が持つ求心力についてちょっと考察することにしました。
「何がそんなに面白いのか」ということです。
考えてみると、いわゆるワイドショー的な面白さがこの騒動は凝縮されていました(笑)。
一つが、「他人の人生転落劇」
一つが、「他人の不幸」
一つが、「他人の喧嘩」
一つが、「奇跡の番狂わせ」
おお、四天王すべてが揃っている!!
まずは、貴乃花親方。
横綱という角界最高の地位に立ちながら両親は離婚、兄さんとは絶縁、弟子は育たず十両一人生み出せず。
華々しい時代とはかけ離れた不遇を囲い、しまいには鉄の結束がウリの一門から追い出される始末。
「(他人の)転落」→「(他人の)不幸」はワイドショーの飯の種。。。さんざん報道されつくした部分です。
しかし、不遇の王者は立ち上がる。
古えの旧習漂う相撲界を正すのか何かしらないけど、不幸な元横綱は立ち上がった。
さんざんうまい汁を吸う年寄りの親方衆の無能がおそらく根本にあったんでしょうが、
とにかく喧嘩を売ったんだ。
これが三つ目、「他人の喧嘩」もワイドショーの飯の種。全く関係ない二者にインタビューをし、その内容をつまみあげて「騒動」「口論」を作り出し、最後には「ご意見番」和田アキ子か美川憲一に締めさせるというのが民放各社が得意とする水戸黄門的なストーリー構築の常套手段(スパモニでは鳥越俊太郎か?)ですが、今回はちょっとガチっぽい喧嘩。
品性下劣なテレビ番組制作者が飛びつかないはずもなく(笑)、相撲界の一大騒動と銘打ってバンバン宣伝。
ついには、そんな「世論」とやらに流されたか、それとも確固たる信念の持ち主かが造反し、やってきました「奇跡の勝利」。一大イベントが大成功! ワイドショー大喜び。テレビ局大喜び。ああ面白かった。もう一回観てみようか。DVDは売ってるの? ってんで、今日は大騒ぎでしょう。
さる皇帝殿下であれば、「みんな好きだろ? 奇跡ってやつが」なんて言ってくれるでしょう。
とはいえ、繰り返しになりますが、
本来は
「文部省所轄の一法人の理事選挙(理事長ではない)」
に過ぎないので、
数日もすれば誰も憶えてないんじゃないでしょうかね(苦笑)。
「浅田真央ちゃんの”オリンピックで奇跡の復活(?)”」に向けて、関係者はみんな準備してますよ。ね。
貴乃花親方、お疲れ様でした。
博打ができる、博打に勝てる人間には人がついてきます。
大半は「勝ってる時」にしかついてきません、が(笑)。
舌を出して中指を立てて小躍りしたいほどの喜びかもしれませんが、
そこはぐっとこらえてこれから先に始まる本当の戦いをガンバッテ欲しい。
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