2006年にK-1東欧予選を18歳にして勝ち上がった貴公子は、2008年には決勝戦まで進み魔裟斗と激闘を演じました。ホームディシジョンで惜しくも敗戦したものの、世界中に「キシェンコここにあり」を示しました。
火花の散るようなボディへのフック、距離をとったときに繰り出されるハイキック、体格に恵まれた白皙の美青年。
2010年RISEに初登場し、日菜太と戦うことになったキシェンコの最新のインタビューをお届けしたいと思います。
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http://www.siamfightmag.com/interviews/interviews_anglais/artur_kyshenko/interview_artur_kyshenko.htm
-今日はよろしく、アルトゥール。早速だけど、あなたは24歳にして素晴らしいキャリアを築いているね。何歳ごろからトレーニングを始めたんだろう?
「11歳でボクシングを始めたね。12歳からはムエタイに転向したんだ」
-ウクライナのオデッサ出身だけど、市のどのへんなのかな?
「真ん中だね」
-少年時代はどんな子だった? 暴れん坊?
「そんなことはないよ。多分、ちょっとだけ……」
-格闘技をどうして始めようと? 何が決め手で?
「この地区で生きていくために、単純に必要だったからさ」
-ムエタイのジムは、オデッサにたくさんあったの?
「今ではたくさんあるけど、当時はわずかしかなかったよ」
-最初に入ったジムのトレーナーを教えてください。
「今でも同じところにいるんだ。バトリーヌトレーナーだ」
-ムエタイを始めた頃、ウクライナではよく知られたスポーツだった?
「そんなことはない。誰も知らないよ。ムエタイ仲間以外は」
-今ではウクライナでムエタイがかなり発展したよね。大会はよく開かれているのかな?
「トーナメントがしばしば開かれているね」
-アマチュア時代から素晴らしい経歴を持っているけど、いつごろタイトルを?
「15歳のときにウクライナの王者になった」
-2006年、K-1東欧予選で優勝したね。どんな思い出があるかな?
「初めて、一日に3試合戦ったんだ。そして、僕はその後どうなるのか知らなかった。僕は日本にたどり着き、そして人生が変わった!!」
-2006年はアルトゥールにとって素晴らしい年だったね。バンコクで行われたIFMAの世界選手権の金メダルを取ったことだね。誰が一番大変な相手だった?
「当時は、全員やっかいな相手だと感じたよ!」
-同じ年に日本のMAXに初出場したよね。相手は偉大なる王者ライアン・シムソンだった。判定で勝利したけど、この試合に思い出はある?
「その時、シムソンが何者か知らなかった。今では述べることができるけどね。シムソンのことは高く評価しているよ!」
-2007年のMAXでは、準々決勝でザンビディスに勝ち、準決勝で魔裟斗に敗れたよね。
「ザンビディスのときは、精神的にきつかった。彼は100%ノックアウトを狙ってくるからね。だから、魔裟斗戦のときにはザンビディスに勝って満足してしまっていたんだ」
-2007年のIFMAで金メダルを取ったね。これも素晴らしい思い出?
「相手がタイ人で、アウェー感たっぷりだったよ」
-ムエタイとK-1ではどちらが好きなのかな?
「昔はムエタイだったけど、今はK-1かな。ま、どっちでも準備はできるけどね」
-タイで練習したことはある?
「ないよ。すべてはオデッサで済んでいる」
-タイについてはよく知ってる?
「全然」
-タイ人で気になるファイターはいる?
「強い選手がいるんでしょ。でも、それってムエタイルールでの話だよね」
-ヨーセングライ・フェアテックスとSayoknoi Pumpanmuangが70㌔近辺ではムエタイ最強と言われているんだけど、彼らは知ってるよね。ムエタイルールで試合をしたいとは思わない?
「誰、そいつら? 誰が相手でも、ムエタイルールでも戦うことはできるけど」
-エルボーでの攻撃は好きかい?
「そうだね、大して上手くはないけど」
-2008年、ジョーダン・タイ、城戸康裕、アンディ・サワーに勝利して決勝まで進んだけど、2冠王者サワーとの試合は特別だった?
「ボクはK-1に出場しているすべての選手に敬意を持っているんだ! サワーは、とてもクレバーで強い選手だ……!!」
-2008年の決勝戦は2004年の王者魔裟斗だったよね。ここではどうすれば優勝を逃さずに済んだだろう? それから、魔裟斗についてはどう思う?
「あの試合は自分が勝っていたと思うけどね! でも、魔裟斗は非常に強いサムライだった」
-大晦日には佐藤嘉洋と対戦したね。
「佐藤は上手い男で、とってもネチネチした戦いになったよ」
-2009年は、アンディ・サワーに準々決勝で敗れてしまった……
「サワー戦はとってもハードだった。多くの攻撃をしかけたけど、ボクにはあれが精一杯だったかな」
-まだキミはブアカーオ・ポー.プラムック、アルバート・クラウス、それからジョルジオ・ペトロシアンとは未対戦だ。戦えるとすれば誰を選ぶ?
「どんな相手でも準備をするだけね」
-K-1 WORLD MAXのタイトルを獲得することは、一番重要なこと?
「人生の圧倒的な目標であり頂点のひとつ!」
-70㌔の世界最強は誰だと思う?
「多分こう答えるのが最も適切だろう。『昨年のK-1王者(2009年王者はジョルジオ・ペトロシアン)』とね」
-いままでの人生で最もハードだった試合は?
「2008年の魔裟斗戦だね。彼はとても強かったし、その日の2試合目だったから」
-最良の思い出の試合は?
「2009年のリマ戦だね。ボクはちゃんと準備が出来て、すべてが上手くいった勝利だったから」
-では、最悪は?
「そんなものはない。すべては経験であり、人生のステップなんだ」
-試合で重要視している技術は?
「とにかく戦術を練ること。好きなのはパンチの技術だよ」
-左のボディフック、そしてハイキックが目立つけど、これは相当練習を積んでいるのかな?
「そうなんだ。これは練習の賜物だね」
(練習の内容について。中略)
-フランス人の選手についてはどう思うかな?(インタビュアーがフランス人)
「レ・バンナしか知らないけど、彼の個性は好きだね」
-誰か、特に戦いたいファイターはいる?
「特にないけど、叶うなら魔裟斗かな!」
-ボクシングを始めたとき影響を与えたファイターはいる?
「いない。単にこれが僕の人生なんだよ」
-今現在のキャリアはどのくらいなんだろう?
「アマチュアで130試合。18敗。プロでは40試合で5敗」
-ジムについて教えてよ。トレーナーとスパーリングパートナーは誰?
「トレーナーはバトリーヌ、スパーの相手は常に変わっているね!」
-ボクシングはキミの人生に貢献しているかな?
「ボクシングは僕の人生の構築に役に立ってくれたよ」
-2010年の目標は?
「K-1王者になることさ」
-最後に何かあるかな?
「多くのファンのサポート、ありがとうね」
-今日はインタビューを受けてくれてありがとう!
「こちらこそ、ありがとう」
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経済の不振、政治の混乱で有名なウクライナ。南部のオデッサに生まれたキシェンコは11歳で格闘技を始めました。12歳でムエタイファイターとなってからは、130試合のアマチュアキャリアと40試合のプロキャリアを重ね、いまや世界で最も強い70㌔ファイターの一人となりました。
5日のトーナメント1回戦では、クラウス、佐藤嘉洋、長島☆自演乙☆雄一郎が勝ち上がりましたが、現役王者ペトロシアンや、2冠王者アンディ・サワーあたりに比べれば一枚落ちるのが現状です。やはり、ヨーロッパラウンドに出場する予定のこのキシェンコが頑張る必要があるでしょう。63㌔の日本代表決定戦で優勝した大和哲也が22歳。このキシェンコは23歳。昨年王者ペトロシアンも24歳。MAXは若さ溢れる時代に逆戻りしたようです。
http://twitter.com/Ebi_Knight←ツイッター
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