http://www.headkicklegend.com/2010/10/8/1738654/semmy-schilt-accused-of-cheating-will-he-be-disqualified-from-gp#comments
K-1王者セーム・シュルトは開幕戦で勝利しましたが、
対戦相手ヘスディ・カラケスのチームは抗議をするとの構えです。
一体何の抗議でしょうか?
カラケスが現王者であるIt's Showtimeとマネージメントをしているブラックレーベルファイティングは声明を出しています。
――
K-1のレギューレーションによれば、ドクターとレフェリーの許可なしに怪我の手当てをしてはならないと書かれています。しかしながら、1R終了後セコンドのバス・ブーンによってそれは行われてしまった。シュルトはとてつもない量のローキックを受けたことで右足の骨が見えるほどの傷ができていました。
医師はこの傷をチェックすべきで、そして試合を続けさせる医学的責任はなかったでしょう。レフェリーはついにこの傷を見つけることができませんでした。シュルトの傷は「秘密のテープ」に隠されてしまったからです。
――
K-1オフィシャルルールによれば、
以下の通りになります。(第22条)
――
選手は、負傷などのいかなる理由であれ、ゴムやプラスチックなど、通常使用するテーピング用テープまたはバンテージ以外の材質のプロテクターを着用してはならない。但し、その負傷の状態によって、リングドクターあるいは審判員がこれを必要と認めた場合には、以下を厳守したうえでこの使用を許可する。
1伸縮性のテープ、サポーター、主催者の許可したパット以外は使用しない。
2これらを使用する際には、試合前日に行われるルールレビュー時にリングドクターあるいは競技役員の確認を必ず受けなければならない。
3確認がない場合、選手はそのテーピング等の使用は認められず、それを取り外さなければならない。
4ここで使用するテープ、サポーターなどは、主催者ならびにリングドクターは一切支給しない。
5試合開始後の負傷個所へのテーピングは、リングドクター以外一切禁止する。なお、審判員の指示に従わない場合、注意、警告、減点の可能性もある。
――
ルールによれば、試合開始前のテーピングは許可を得れば認めるが、試合開始後の負傷個所へのテーピングは認めない(一切禁止)とあり、審判に従わない場合は減点の可能性があると言及しています。
では、そもそもこのカラケス側の主張は本当なのでしょうか?
まずこの写真を観てください。テレビ画面をデジカメで撮影したものですが、こちらは1Rになります。
テーピングはしていません。
しかし、
・・・・・あ、思いっきり巻いてるじゃん。白いテープ。
これがシュルトの負傷個所を隠すためにバス・ブーンが巻いた「秘密の」テープ。
全然「秘密」ではないですけど、
明らかにルールには違反している?
だが、審判は全くこのシュルトの足の変化に気が付いていない様子です。
試合開始後のテーピングはドクター以外一切禁止とされています。
オフィシャルドクターがこのテープを巻いたという可能性はないこともないですが、バス・ブーンが巻いていたのであれば反則です。
これについてIt's Showtimeのオーナーサイモン・ルッツ氏は
「K-1は自分たちの王者を守ったんだ! その証拠にフジテレビの煽りVではK-1王者対It's Showtime王者というアングルで盛り上げていたじゃないか!」とコメント。
すごい勘違いをするサイモンさん。多分、K-1関係者はみんなカラケスを応援してたと思いますよ(笑)。
閑話休題、
この問題に関してシュルト自身は「抗議するのは彼らの権利さ。だけど、私は何もこの結末を恐れてはいない。カラケスはリングで勝敗をつけるべきではなかったかな?(中略)私はトレーニングを続けてFINALに出場するよ」
と、余裕しゃくしゃくです。
テープ巻きの行為が反則であるとしても、
それにレフェリーが気がつかなかったことはこの話をややこしくしそうです。
ルールには「審判に従わない場合は減点の可能性がある」とこの22条については言及されています。
しかし、「審判の指示」そのものがなかった場合のペナルティについては書いていません。
つまり明確な反則でありながらペナルティをかけることができない可能性があります。
それでも、仮にシュルトのポイントを1点減点するとなると、ドロー判定になり延長になります。
カラケス陣営の言い分は
「審判が試合中にテーピングに気づいて注意していれば、シュルトは試合続行することができなかったはずだ」というものです。
一体シュルトの傷はどこまで深かったのか?
こちらは1R終盤のシュルトの足ですが、
裂傷のようなものが見られますね。
かなり深そうです。
ビデオで確認すると、シュルトは2R以降テーピングを巻いている右足はほとんど蹴りを出せなくなっています。
これは私の個人的な意見ですが、シュルトの裂傷を反則のテーピングを巻いてまでバス・ブーンが隠そうしたのは、ドクターチェックにかかれば試合を止められる可能性があると見たから。
というカラケス陣営の抗議の内容はほぼ正しいのではないかと思います。
しかし、これを罰する規定もないので(ルールの不備と言えるかもしれないがそもそも注意をできなかった審判に最大の責任あり)、シュルトに今から減点が科せられることはないような気がします。
この問題についてはまた続報が入りましたら報告できばと思います。
http://twitter.com/Ebi_Knight←ツイッター
人気ブログランキングに1票
K-1歴代大会のDVDを購入する
【音声ブログ】かかとおとしポッドキャスト公開中