そう、去年の9月のことだった。
僕はその日、いつものように起き、いつものように食べ、いつものように会社に出かけた。
悲劇というのは、心の準備もなく、なんでもない日常に突然やってくる。
あの日、会社にあったベビースターラーメン。ほうばって、チキンの味が口に広がる。そして、思いっきり噛んだその瞬間だった。
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小説風の出だしをつけてみましたが、僕はこの瞬間顎が閉まったまま、開かなくなったのです。
左顎の付け根の、頭蓋骨とフックになっている部分が外れたため、通常5cmほど開くはずの僕の顎はわずかに1cm強開くのみになってしまいました。
ほぼ現在、もとに戻っていますが、治療に半年以上かかりました。いまでも全快ということはなく、口を大きくあけると違和感を感じます。
ほんの一瞬の過ちが、長い苦しみとなるのだな、としみじみ感じました。
そしておとといの夜、家の近くで人身事故が起きました。運転していたおねえちゃんは動揺し、跳ねられたサラリーマン風の男は吐しゃ物を撒き散らし、周囲の呼び声にも意識もなく救急車で運ばれていきました。
一瞬の判断とか、運とかのめぐり合わせが悪かったのでしょう。
僕は顎でまだましだった。いや、むしろ、この経験が生かされているではないか。と、気を取り直すわけです。
そう、とにかくベビースターラーメンを噛み砕いたことで半年口が開かなかったことは、飲み会などでの笑い話で受けなかったためしがない。
半年感のうっぷんを晴らすべく、笑いへと昇華させていくのが、残された僕の役目なのだ!
いや、別に誰かが死んだわけじゃないけど、とにかくそういう思いを新たにしつつ、今日の日記とかえさせていただきたい。